コロナの専門家「信頼していい人」「ダメな人」の差 突飛な主張をする「非専門家」には要注意

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コロナの「デマ情報」に騙されない方法を紹介します(写真:筆者撮影)
「本当は新型コロナウイルスなんてない」「新型コロナワクチンで遺伝子組み換えにんげんになる」など、新型コロナウイルスが流行して以来、じつにさまざまな驚くような流言やデマが飛び交っている。そこで、非専門家である私たちがデマや流言に踊らされないためにはどうしたらいいのか、昨年12月に新刊『新型コロナとワクチン 私たちは正しかったのか』(日経BP、山中浩之氏との共著)を出版した医師で薬剤師の峰宗太郎氏に詳しく話をうかがった。

なぜ「デマ情報」が拡散するのか?

──新型コロナウイルスが流行してから、さまざまなデマが飛び交っています。マスクやワクチンを嫌がるだけでなく、明らかなファクトそのものを否定する人も。これはどうしてでしょうか?

やっぱりリスクを直視すること自体がつらいから、そこから逃げたいという心理が働くのだと思います。「新型コロナウイルスは存在しない」「新型コロナワクチンは製薬会社の陰謀だ」と信じ込めば、つらい状況は見えなくなるわけです。

それにデマは「デマを流す人」「デマを広める人」「デマを信じる人」がいて成り立ちます。デマを流す人と広める人は、自らのお金儲けやエゴのために行うことが多いだろうと考えられます。そこに不安が強かったり、信じやすかったりする人が引き寄せられ、同じような人ばかりで集まることによって違う意見が見えなくなる「フィルターバブル」が起こり、同意見だけを目にすることで信念が深まる「エコーチェンバー」に陥るんです。そして残念ながら「デマを信じる人」になってしまう。

──本の中にあった「ワクチンにはリスクが高いと思わせる要素が多い」という部分が、納得でした。

リスクコミュニケーションの教科書にも載っていることなんですが、人はこのような要素があると、実際よりもリスクを大きく見積もってしまう傾向があるんです。まさにワクチンに当てはまりますね。

(出典:『新型コロナとワクチン 私たちは正しかったのか』(日経BP)より)

また近くにあるリスクは大きく、遠くにあるリスクは小さく見積もってしまう傾向もあります。だから「今すぐの新型コロナワクチン」のリスクは過大評価し、「いつかの新型コロナウイルス感染」のリスクは過小評価してしまうんです。

いずれにしても生きることはつねにリスクを伴う行為をしていくことなので、本当はどちらのリスクがより小さいかを客観的に見て評価しないといけません。

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