トラックマンから見える日本野球の問題点と未来 野球をもっとインテリジェンスなものに変える

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トラックマンは日本野球界でどのような運用をされているのか(筆者撮影)

プロ野球ファンの多くは、今や「トラックマン」という名前は知っている。それが投球や打球の軌道を計測し、数値化することで選手のパフォーマンス向上に資するものであることも大まかには理解している。しかし、どんな運用をしているかまでは知られていない。

トラックマン野球部門の責任者である星川太輔氏はこう説明する。

「NPB球団で使っているトラックマンは、各球団の本拠地球場に設置しています。設置費用は別途かかりますが、設置しても機械そのものはトラックマンのもので、球団は年間使用料を払ってレンタルします。ずっとランニングコストがかかるんですね。今は10球団がトラックマンと契約しています。これですべての選手のデータが取れます」

トラックマンとほかのシステムとの大きな違い

トラックマンのライバルのトラッキングシステムにはホークアイやラプソードなどがある。

トラックマン野球部門の責任者である星川太輔氏(筆者撮影)

「トラックマンは各球場に設置する『試合用』の機器と、持ち運びが効く『練習用』の小型機があります。ホークアイは『試合用』の機器、ラプソードは『練習用』だけです。

3つともボールの軌道を捕捉して数値化するのですが、ボールの捉え方が違います。トラックマンはレーダーとカメラでボールを捕捉しますが、ホークアイとラプソードはカメラで捕捉します。ホークアイは高解像度の画像として記録するのでバイオメカニクスのデータも取れますし、フィールドの選手の動きも記録できますが導入にあたり価格がネックだそうです。

また、球団によってはトラックマンと契約したうえで、ラプソードも導入しているところもあります。春季キャンプのブルペンではトラッキングシステムの機械をいろいろ設置しているのを見ますが、捕手の後ろにあるのが練習用のトラックマン、投手と捕手の間に置いているのがラプソードです」

試合用に球場に設置されるタイプのトラックマンは、その球団の選手のデータだけを契約している球団に提供するわけではない。その球場での全ての試合データは、トラックマンと契約している全球団に向けて公開される。各球団は、契約している敵味方問わない全選手の試合のデータを見ることができ、活用することができるのだ。

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