値上げでも客が離れない主要企業の動向総ざらい 外食、食品、電力、住宅、日用品等の状況を確認

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味の素は6月1日納品分から、家庭用のうま味調味料や低カロリー甘味料の一部製品の出荷価格を改定。値上げ幅は約2~13%になる。さらに10月1日納品分より、家庭用の塩調味料、コンソメ製品の出荷価格を改定、約2~12%値上げする予定だ。

日清食品ホールディングスは、傘下の日清食品の即席袋麺、即席カップ麺、即席カップライス、即席カップスープの製品価格を、6月1日出荷分から改定。メーカー希望小売価格を5~12%引き上げた。山崎製パンは7月から主力商品「ロイヤルブレッド」など食パンや菓子パンを平均7.1%値上げ。ニチレイは8月から家庭用冷食で8~20%の値上げする予定。値上げをしない食品企業はないといっていいほど値上げラッシュの様相を呈している。

電気料金はこれから一段と上昇

編集部:ロシアによるウクライナ侵攻の影響でエネルギー価格が急騰した。電気料金は今度どうなるのか。

電力担当:一般的な電気料金は主に「基本料金」(最低料金)と「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を合計し、それに「燃料費調整額」をプラスマイナスして決まる。現在、値上がりの主因となっているのが燃料費調整額だ。火力燃料のコストを一定の計算式に基づいて電気料金に反映させる仕組みとなっている。

直近3カ月平均の燃料価格が、3カ月後の電気料金に反映されるので、ウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格高騰が電気料金に反映されるのは6月以降となる。夏場から秋にかけて電気料金は一段と上昇していくことが予想される。

規制料金(自由化前から存在する料金)の場合、燃料費調整額に上限が設けられているため、電気料金は秋頃にも頭打ちになる。もしエネルギー価格が今後も上昇し続ければ、その分は電力会社が負担する。ただ、電力会社によって規制料金の占める割合は異なるので、業績への影響はまちまちだ。

家庭の視点から見た場合、自分が規制料金での契約なのかそうではないのか確認する必要がある。また電力会社によっても料金体系は異なるので、電気料金がどうなるのか気になる場合、自分が利用している電力会社に尋ねたり、ホームページで調べたりするとよいだろう。

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