雑誌も特集「タンポン大不足」でアメリカ大わらわ 必需品が棚から消えた!米国インフレ最前線
最初は粉ミルクだった。今ではタンポンの全国的不足が、アメリカ女性の日常を困難にする新たなサプライチェーン問題となっている。その背景で進んでいるのが消費者物価の上昇だ。
レディットやインスタグラムではここ何カ月と、空になった棚や値上げについて情報交換が行われている。「違う店を8つもチェックした!」とレディットに書き込んだ1人は、タンポンをネットで購入することになったが、「かなりの上乗せ価格」だったという。
レディットユーザーの間では何カ月も前から話題になっていたタンポン不足だが、タイム誌が6月上旬に「タンポン大不足」と題する記事を掲載するまで、この問題はほとんど注目されてこなかった。
メーカー「コストが高騰し、とても不安定な状況」
もちろん、品薄となっている日用品はタンポンだけではない。パンデミックが始まって以来、グローバルなサプライチェーンはストレスにさらされ、トイレットペーパー、粉ミルク、自動車、調理家電をはじめ、さまざまな商品の入手が難しくなっている。
タンポンのトップブランド「タンパックス」を持ち、世界で年間45億箱のタンポンを製造・販売するプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のCFOアンドレ・シュルテンは最近の業績発表で、綿やプラスチックといった原材料の調達「コストが高騰し、とても不安定な状況」になっていると語った。
インフレにより、ほかの一般的な生理用品の価格も高騰している。ブルームバーグは、生理用ナプキンの平均価格が年初から5月末までに8%強上昇し、タンポンの価格は10%近く上がったと伝えた。
メーカーや大手小売企業は、品薄状態の解消に取り組んでいると話す。
小売業者と協力して供給力の最大化に取り組んでいるとニューヨーク・タイムズに語ったP&Gの担当者は、「これは間違いなく一時的な問題と言える」とする一方で、品薄状態の解消にどれくらいの時間がかかるかについては具体的にコメントしなかった。大手ドラッグストアチェーン、CVSとウォルグリーンの担当者も、ここ何週間と店頭で品薄状態が続いていると認めた。