つい言ってしまいがちな「先生に叱られるよ」「パパに言いつけるよ」という言葉。こう言えば説得できる、効果が高まると思う人もいるかもしれません。でもこれは単なる責任転嫁です。
ちょっと厳しい言い方をするならば、これらのセリフの根底には、自分に自信がなくて子どもと向き合おうとせず、他人の権力を借りて目的を達成しようとする考えが見え隠れしています。自分以外の権威ある人を楯にして自己主張するのは、自分に自信がない証拠ともいえます。
学校の先生だけでなく、塾や習いごとの先生、厳しいお父さんなど、親子の会話のなかで「権威のある他人」を利用すると、子どもも真似するようになってしまいます。
要求したいことをストレートに伝える
「みんなやってるよ」「〇〇ちゃんはすごくがんばっているよ」と、ほかの子どもと比較するのもNG。自分が要求したいことを、「お母さんは、復習したほうがいいと思う」「1日5ページの宿題をやる約束は守ってほしい」とストレートに伝えればいいのです。
×よけいなひと言 「そんなことをしてると、先生に叱られるよ」
◎わかりあえるひと言 「お母さんは、復習したほうがいいと思う」
それでも行動に移さないときは、「どうすればできるかな?」「いつやろうか?」と本人の意向を聞いて話し合ってみてください。それが「子どもと向き合っている」ことになり、子どものことを真剣に考えている思いが伝わります。
どうしても、1対1で前向きな話し合いができなければ、先生やほかの家族、もしくは第三者に話し合いに入ってもらうこともありかと思います。そのときは、直接、子どもにアドバイスをしてもらうといいでしょう。
親子関係にとって「叱る」は日常茶飯事ともいえる大事なテーマです。とはいえ、感情のまま「怒る」ことを、「叱る」と勘違いしている方も少なくありません。「怒る」というのは感情的にイライラや不満をぶつける行為といえます。一方、「叱る」といいうのは、理性的に善悪の判断や物事の道理を教えて、次に改善できるよう成長をうながす行為です。
親が怒ってばかりだと、子どもが小さいうちは黙っていても、やがて感情をぶつけてくるようになります。「負のスパイラル」に陥らないためには、感情的になってしまったら、子どもから離れること。物理的に距離を置くと、冷静になりやすいのです。
そして、怒ってしまったときは、「言いすぎてごめんね」と謝ることも大切です。当たり前ですが、親も気持ちのコントロールが難しいこともあります。理不尽な怒りをぶつけてしまった後は、信頼関係を修復することも忘れないようにしたいですね。
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