子へのひと言を「呪縛から支え」に言い替えるコツ 「権威ある人」の存在を利用していませんか?

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もちろん、ダメということ自体に問題があるわけではありません。その場合は、「急に道路に出ると車にぶつかるから、飛び出さないでね」「今おやつを食べると晩ご飯が食べられないから、我慢してね」というように、理由とセットで伝えることが大切です。

×よけいなひと言 「ダメ!」

◎わかりあえるひと言 「○○すると危ないから△△してね」

子どもはまだ成長段階にあるわけですから、たとえ間違ったことをしても、1人の人間として尊重することが大事です。そのあとで、学びにつなげるようにし、本人が納得するまでわかりやすく言い聞かせてあげてください。

そして、親の気持ちを伝えてもいいのです。たとえば子どもがお友だちを傷つけることを言ってしまったら、「お母さんは悲しい」と。約束を守らない子どもには「いつも本当に困ってるの」と言えば、子どもは親の思いに応えたいと思うものです。

「条件つき」のかかわりは脅しと同じ

「片づけないなら捨てるよ」と“条件付き”で言えば、子どもがいうことを聞いてくれると勘違いしている親は少なくありません。もっとひどい言い方だと「そんなだらしない子はいらない!」「泣いてばかりの子は嫌い!」と条件付きの評価で、親の望む要求をする人もいます。

するとやがて子どもも、「ゲーム買ってくれたら片づける」というように、条件付きで親の要求を受け入れようとするでしょう。

子どもが自分で片づけられるようにするには、「一緒に片づけよう」「大切なものがなくならないように、箱にしまおうね」と手伝ってあげればいいのです。

きっかけを与えて片づけ方を教えて、「あとは自分でできるかな?」と聞くと、「やってみる」とやる気になりやすいものです。

×よけいなひと言 「片づけないなら捨てるよ!」

◎わかりあえるひと言 「一緒に片づけよう!」

「最初から自分でやらせないと、自主性が育たないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、むしろ逆です。大人も同じで、なんのレクチャーもせず「任せたよ」と言うだけでは、部下はなかなか育ってくれません。

もちろん成長の早さは人によって違いますから、自分でできるまで手伝いが必要な期間が長い子もいるでしょう。とはいえ、子育てはいつまでも続くわけではありません。期間限定だと思ってつき合いましょう。その子の成長のペースに合わせて、子どもと一緒にやる時間を楽しんでいるうちに育っていきます。

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