「40代の8割が歯周病」から逃れたい人の金科玉条 口内環境の悪化は、3大死因や認知症に関与
歯周病というと高齢者の病気と思われがちですが、そうではありません。歯周病の発症率は35歳前後から上昇し、40代になる頃には程度の差こそあれ、なんと8割もの人が歯周病を発症します。
ごく軽い炎症から始まるので痛みもなく、ほとんど自覚できません。そのまま静かに進行し、違和感に気づいて歯科医院に行くころには、すでに歯茎も歯根もボロボロになっていることがよくあります。そうなると、歯医者さんも抜歯するしかありません。
歯のケアで脳が若返る
この歯と全身疾患との密接な関係に気づいてから、私の認知症外来の敷地内に歯科診療所を建て、常時約400名の患者さんに利用してもらっています。みなさん、基本的にその歯科で受診をしてから私のクリニックを受診されるのです。
「どうして認知症の病院で、歯のチェックを!?」と最初は不思議がっていたご家族も、患者さんの認知症状の改善を目の当たりにして驚き、納得されます。
例えば、ご家族が看取りを意識されていた92歳の男性患者Aさんは、なんと、たった1回の歯のケアで食欲が改善し、以前の食事量に戻りました。定期的にケアを続けた今ではしっかり食欲もあり、看取りを考えていたなんて想像もできないくらいに回復しています。
79歳の女性患者Bさんの場合は、もの忘れが劇的に改善しました。以前は、家族の名前すらすぐに出てこないような状態でした。ほかにも、認知症状を改善させた患者さんは数えきれません。歯のケアによって認知症状が改善し、脳が若返るのです。
しかし、患者さんたちと同じくらい、いえ、それ以上に変わるのが介護者です。歯科受診に付き添っていくうちに歯科の重要性に気づき、ご自分も一緒に受診されるようになる方が非常に多いのです。それくらい、口腔内のケアの威力はすごいということです。
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