「奨学金290万円」女性、年収120万円での返済生活 非常勤講師を経て正規雇用も、パワハラで退職

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一方、アルバイトも週4〜5日程度は、ファミレスのホールに入っていました。働くのは大変でしたが、接客は好きだったので、4年間、明るい気持ちでできました」

聞く限りでは、充実したキャンパスライフを送ったように聞こえるが、大変なこともあった。ダイエットがきっかけで、摂食障害を患ってしまったのだ。

「食べては吐くという、過食嘔吐が大学時代に始まりました。一般的に女性はストレスが溜まると爆食いするか、全然食べないかだと思うのですが、私は食べちゃうタイプだったんですね。

当然、食べると見た目が気になるので、痩せたい気持ちも強まります。それもストレスになり、また食べてしまうのですが、次第に太ることへの恐怖から吐くことが常態化してしまって。

食べることで食費が相当かかるけど、お金をかけても食べれば吐く。だから、パンの耳とか安い菓子パンを、物理的にある程度胃袋に入れて、入りきらなくなったら吐き出すようにしていました。住んでいた学生寮はトイレが共同だったので、バレないように、隙を見て夜中にこっそり吐いていました」

どことなく、母親との連鎖を感じさせるエピソードだが、幸いにも友人には恵まれ、とくに寮生たちとは仲が良かったという。

「サークルは途中で辞めてしまいましたが、寮でほかの学部の先輩たちとの交流はすごく持てました。寮に入るのには審査があるのですが、やはり家計が苦しい順に入れてくれるので劣等感を覚えることもなくて。私はお酒は飲めないんですが、寮の飲み会にはよく出ていました」

摂食障害を抱えながら先生に

奨学金を借りたことで大学進学を果たした三宅さんだが、進んだのは教育学部だった。入学後、摂食障害を患いながらも、教育実習などを経て無事に教員免許を取得し、大学を卒業。教員採用試験には合格しなかったものの、小中学校の家庭科の非常勤講師になる。

「子どもたちからすればみんな同じ『先生』ですが、私の勤務先では教員採用試験に受かった正規の教師は全体の3分の2程度に過ぎず、残りは講師や非常勤と呼ばれる人たちでした。やる業務はほとんど同じなのに、もはや正社員と非正規ぐらい待遇は給与から全然違うんですよ」

そのため、日々の業務と並行して、年に1回行われる採用試験に向けて対策しなければならなかった。しかし、当然ながら奨学金の返済はある。

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