「奨学金を借りて大学に行けたことは、本当に良かったと今でも思っています。大学ではいろんな地域から来た、いろんな考え方の学生に出会えて、広い世界を知れて、いろんな生き方ができるということを学べました。
奨学金制度がなかったら、資格も何もない状態で高卒で就ける仕事だけをして、必然的に学士の人たちとの接点もないまま、地元の狭い世界の中にいたのだと思います。
私は奨学金の存在を教えてもらって『知ること』ができた。未成年のうちは親の扶養ですが親を変えることはできないので、『知ること』ができれば環境を変えられるチャンスがあるっていうことを、今の中高生たちには覚えていてほしいですね」
苦労も今は糧に変えている
他方で、三宅さんは過去に体験してきた貧乏、病気、パワハラといった苦労も、少しずつ糧に変えていっている。
「今、占い師の仕事をしていて思うのは、『みんな、自分より幸せな人の話には聞く耳を持たない』ということ。
いくら親身にアドバイスをしても『あなたは私みたいな大変な経験してない!』と言い返されることは、占い師にとってはよくあることなんです。
でも、私は一通りの不幸を体験したことで話に説得力があるみたいで、『三宅さんができるなら、私もできるのかも……』というように、前向きになれるスイッチを入れてあげられる。今となっては、過去の不幸も利点になっているのかなと思いますね」
そもそも、親友がカウンセリングしてくれて……というのも、元はと言えば大学に行ったからこそ起きた出来事。彼女にとって、奨学金は学費であると同時に、ある意味では、治療費でもあったのかもしれない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら