役所広司「仕事は怠けようとする自分との戦い」 準備をする中で必ず何かのヒントが見つかる

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役所広司さんの仕事に対する思いとは?(撮影:梅谷秀司)
ハリウッドスタッフが牽引する映画『SAYURI』や、『バベル』ではブラッド・ピッドと共演するなど、海外作品でも実力を発揮する俳優、役所広司さん。最新主演映画『峠 最後のサムライ』では、毅然と意思を貫き通した侍、河井継之助を演じている。継之助は「侍」という“仕事”をまっとうした男。そこで役所さんに仕事に対する思いを聞くと、ストイックかつ熱情的な答えが返ってきた。

――最初に主演映画『峠 最後のサムライ』のタイトルにちなんだ質問を。役所さんの仕事人生の「峠」はいつでしたか。

僕は、30代後半から映画を職場にし始めたんです。それまでは舞台とテレビドラマが主戦場でした。映画をやっていこうと思ったのが39歳か40歳(1995年から1996年)ぐらいでしたが、当時の日本映画は低予算で貧しかった。ですが、自分が出演した低予算の映画が独り歩きをして世界中の観客に楽しんでもらえたと感じたときに、「(俳優業は)いい仕事だな」と、仕事としての「峠」を感じました。

それが「峠」なのか分かりませんが、国際映画祭に参加したときに、「きみの作品を観た」と言われることが増えて、「そんな映画まで観てくれていたんだ」と、感動する機会にも恵まれたんです。

今はドラマも世界中に配信される時代ですが、当時は日本と海外の架け橋となる作品は、映画しかなかった。映画が各国に運ばれて、日本という国を紹介してくれる、外交のような役目も担ってくれていたのではないかと。

――1995年から1996年といえば、バブル経済の崩壊後です。邦画が低予算で制作されていた現実も頷けます。

あの頃はCGもあまりありませんでしたからね。今はCGを多用する作品も増え、予算のかかっていない映画がさらに増えているかもしれません。

ただ、僕自身はCGを否定するつもりは毛頭なくて。近年、多様性という言葉を聞く機会が増えましたが、映画にも多様性があっていいと考えています。いろんな作品が公開されないと、映画界がやせ細ってしまうので。映画もビジネスですから、お客様に観ていただかないと成立しませんが、お客様にもいろんな作品を観てもらいたいですし、映画に多様性は必要だと思っています。

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