教師不足は、教師の多忙に拍車をかける。例えば、小学校で教務主任が担任になれば、教務主任としての業務はほかの教員が分割して担わなければならない。また、専科の教員が担任になれば、ほかの教員の空き時間は減少する。
そうなれば過重労働に拍車がかかり、負荷が増した教師が過労で倒れる「ドミノ倒し」が起きてしまいかねない。そうした事態を防ぐためにも、非正規教員の割合を減らしていくことが早急に求められる。
教育活動のストップを余儀なくされかねない
常勤の非正規教員は、正規教員とほぼ同じ内容と責任の仕事を負わされるにもかかわらず、待遇面では正規教員に劣っている。自治体によって差はあるが、給与額やその昇給幅、有給休暇、退職金などは、おおむね正規教員に比べて悪い。
加えて、有期雇用という弱い立場につけ込まれ、時には問題のあるクラスや面倒な校務を担当させられることもある。そのうえ、いつ雇用契約が途絶えて失業するかもわからない。残業手当は一切出ないが、月100時間を超える残業を強いられることもある。
これほど理不尽な立場なうえに有期雇用契約となれば、とうに見限られていてもおかしくない。なぜ、そんな不条理な仕事を続けるのか。非正規教員にそう聞くと概ね次のような答えが返ってくる。
「転職も考えたが、やはり正規教員への夢が諦めきれない」
「教師を何年も続けていると、他業界への転職が難しい」
「転職活動もしたが、なかなか内定がもらえなかった」
このような理由もあって、多くの非正規教員は、どうにか教師という職業にとどまっている。その結果、教師不足は起きているものの、ぎりぎりのところで公教育は機能不全を起こさずに済んでいる。
しかし、このまま非正規教員に依存し続けていたら、教育活動のストップを余儀なくされかねない。そうならないためにも、公立学校の非正規化を食い止め、正規率を高めていくことが必須となる。
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(第4回は「学校で『いい先生』が正規職員になれない理不尽」近日公開予定)
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