日産自動車は13日、軽自動車の新型電気自動車(EV)「サクラ」について、発売を発表した5月20日から6月13日までの約3週間で1万1429台を受注したと明らかにした。
年齢層は60代が26%、50代が24%、70代以上が21%で、2台目以降の複数車所有の顧客や、ガソリン車からの切り替えが多い傾向がみられているという。また、販売は今月16日を予定していることも発表した。
柳信秀チーフマーケティングマネージャ―は13日のオンライン説明会で、目標値を大きく超える受注が入っているとし、「非常に幸先がいい」と説明。大都市圏や地方都市を中心に受注が入っているとし、受注の半数以上が現在他社の車に乗っている顧客という。柳氏は、同社の軽自動車「デイズ」(2021年度新車販売台数約5万台)と「同じくらいきちんと年間を通して売っていく」との意気込みを示した。
一方で、生産については半導体不足などによる部品の制約で「生産供給が十分とは言えない」と指摘。納期の詳細については公表を控えた。
サクラは、同業他社に先駆けてEV「リーフ」などを販売してきた日産が初めて導入した量産型の軽EV。海外に比べEV販売が伸び悩む日本で、普及促進の起爆剤になるかどうかが注目されている。三菱自動車も13日、16日に発売する軽EV「ekクロスEV」の受注が5月20日からの約1カ月で、月販目標台数850台の4倍となる約3400台だったと発表した。
日産によると、サクラの補助金込みの実質購入価格は約178万円(税込み)からの予定。搭載するリチウムイオンバッテリーの電池容量は20キロワット時で、航続距離は最大180キロメートル。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は発売発表時の式典で、「日常生活に十分な航続距離を確保」していると話していた。
東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストは電話取材で、国内市場における、有望な新型車種の初期受注1万台というのは一つのハードルで「それを超えてきたというのはポジティブな印象」と評価。課題は商品が顧客に届くタイミングだとし、さらに「軽自動車のマーケットのメインは地方であり、地方で普及・定着するかや将来的には補助金に頼らずにできるかが鍵となる」とも話した。
(外部コメントなどを追加して更新します)
More stories like this are available on bloomberg.com
著者:佐野七緒
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら