親の「サポート」は、子の「プレッシャー」です 中学受験で子どもを追い詰めてはならない

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【パンプキンからのコメント】

またまた今年も、幼いお子さんたちが涙を流す季節が訪れたのですね。さまざまな親子の悲喜こもごもをみてきましたので、三井田様のお気持ちもいかばかりかと、お察し申し上げます。

ただ、若いうちというか、幼いうちから挫折と悔しさを経験するのは人生の肥やしになり、あまり不敏がってもいけません。むしろ悔し涙が出るくらい頑張ったことを肯定的にとらえて褒めてあげることが、今の年齢のお子さまですと大切なことだとも思います。

サポートとプレッシャーの違い

ところで、三井田様のご相談文を拝読しまして私がまず感じましたのは、三井田様ご夫妻のお嬢さまへのサポートが、サポートではなくお嬢さまより先に走り過ぎていたのではないかということです。

お子さまの性格により、受験勉強も親が密着して手助けするほうがうまくいく場合から、ほとんど構わなくとも子どもが責任を持って頑張る場合までいろいろです。前者の場合も、あくまでも主役はお子さまです。「本人は頑張っていたのに、母親としての自分もいろいろと力不足だった」と反省しておられるので、これからはますます子どもと一緒になって、受験勉強に力を入れられるのでしょうか。

過去にも例に出しておりますが、馬をどんなに安全な道を選んで水飲み場まで連れて行ったとしても、水を飲むのはあくまで馬で、人が代わりに水まで飲んでやることはできません。

受験勉強も同じで、家族の受験への思いがいくら強くても、受験するのは本人です。「家族が一丸となって、サポート」されたのに「力不足」を感じておられるということは、これからはさらに確実な水飲み場までの道や水の飲み方を、親が見つけてあげようというものでしょうか?

私は、頑張ったのにその努力が報われなかったお子さんがふびんで、涙を流された親御さんをたくさん知っています。その方たちのその後ですが、中には受験生本人より親がショックを受けて、寝込まれた人もいました。

親子の目標が、医者になることで一致していた上田くん(仮名)は、第1志望校の中学合格が確実視されていたのにダメでした。上田くんのママはしばらく寝込み、子どもが可哀想で仕方がないと、私への電話で延々と泣いていました。そんな親を横目に上田くんのほうが立ち直りが早く、すぐに塾を決め、休む間もなく勉強を始めました。

子どもに引っ張られて親も立ち直り、子どもの後ろから親がついていく形で食事の世話だけに心を砕いたそうです。上田くんは見事に最難関校に合格し、今では立派なお医者さんです。

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