東京外国為替市場では円が対ドルで約20年ぶり安値から反発した。金融引き締めを急ぐ海外中銀と金融緩和を続ける日本銀行の政策かい離を背景に一時は1ドル=134円台半ばと2002年2月以来の安値を連日で更新。その後は米長期金利の上昇が一服する中、今夜の欧州中央銀行(ECB)による金融政策発表やあすに米消費者物価指数(CPI)を控えて徐々に買い戻しが優勢となった。円は対ユーロでも約7年ぶり安値付近から値を戻している。
市場関係者の見方
クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長
- きのうまで3日連続で黒田日銀総裁の発言により円売りが加速。本日は今のところ発言機会はないようなので、円売りの仕掛けもきょうあすの重要イベントを前に小休止というところ
- ただ、あすの米CPIは危険だし、ECB理事会次第でも135円トライの可能性はある
りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジスト
- きょうもECB会合を控えて日本との政策格差が意識される局面であり、ドル・円は高値圏(円安値圏)ではあるが引き続き底堅い動きに
- もっとも、ドル・円は02年1月の135円15銭の節目が視野に入りつつ、日本の政府高官からけん制発言も出始めていることから、いったんは上値も重くなるような状況
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 投機筋が政策スタンスの違いや資源高による日本の交易条件悪化に改めて着目して円売りを進めているのが背景
- 投機筋主導なので、ECB、FOMC、米CPIなどをきっかけに利食いの動きがどこかで出てくると思う
背景
- 米10年債利回りはアジア時間の取引で1ベーシスポイント(bp)高い3.03%程度。一時は3.05%まで上昇する場面も
- OECD経済見通し、成長率大幅下方修正-インフレ予想ほぼ2倍
- ECBは資産購入終了を発表し、7月の利上げに向けたカウントダウンを正式に始める見通し
- ECB利上げ、短期金融市場は7月の0.5ポイントを50%織り込む
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著者:小宮弘子
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