悪気のない「残念な夫」が、いちばん危険 「イクメン自称」が妻の怒りに火をつける
――今後の見所はどんなところでしょうか?
主人公の陽一が、”父親になれるのか”というところですね。口では「俺は変わるよ」とか言ってはいますが、根本のところはなかなか変わっていかない。それが少しずつ、どんなふうに変わっていくのか、というところです。
同時に、周りの夫婦がどうかかわってくるか、というところも見ていただきたいです。岸谷五郎さんと大塚寧々さんが演じる細井夫妻や、黒木啓司さんと高橋メアリージュンさんが演じる須藤夫妻と、パパ友・ママ友みたいなところでの交わりも出てきます。
最終的には、産後離婚危機というものを、陽一と知里が乗り越えられるのか?というところですね。それを、最終回までしっかりと描いていきます。これからどんどん、この夫婦の危機は深まっていくのですが……。
――ドラマのタイトル「残念な夫。」の”残念”という言葉は、いいですね。「悪気はないんだけど」という感じが伝わってきます。
そうなんです、「ダメ」って言われているわけではないですから。改善する可能性がまだあるから、”残念”なんですよ。
「残念な上司」とか「残念な妻」とか、いろいろ応用が利きます。今回の「残念な夫。」の反響次第では、“残念シリーズ”にして「残念な妻」も作れるかもしれません。そのときはタイトルを「○○な妻」にしようかと思います(笑)。
「残念度」はどう判定する?
――ところで、昨年は「家事ハラ」のCMが、最近ではサイボウズさんのムービー(「パパにしかできないこと」)が話題になりました。「夫の家事育児」というテーマは炎上しやすいようですが、今回のドラマで気をつけた点はありますか?
女性目線を外すと、炎上するのかな、という気はしますね……。サイボウズさんのムービーは、1本目(「大丈夫」)で期待値を高めすぎた、というせいもあるんじゃないでしょうか。
このドラマでは、「残念」という言葉を「期待を裏切ること」と定義しているのです。ある事象について、それが「残念」かどうかって、人によって意見が異なりますよね。たとえば、うんちのときのおむつを換えない夫が残念か、残念じゃないかって、その家庭によって判断が違います。
でも、もし「おむつ換えは俺に任せろ!」って言ってる夫が、うんちのときだけおむつを換えなかったら、それは明らかに「残念」ですよね(笑)。それは、「おむつ換えは任せられる」という期待があるのに、それを裏切るから、「残念」ということになるわけで。
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