サッシの欠陥が続々発覚、トステムは1万棟分

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 ところが、カ防協が実際に試験施設で検査したのは、国交省から認定を取得した当初だけ。その後は書類による審査が通例となっていた。カ防協の末永佑己事務局長は、「仕様さえ守っていれば、性能はあると信じていた」と、苦しい弁明に終始する。大学教授やプレハブ建築協会など、複数の関係団体の担当者らが委員を務める第三者機関も、カ防協と同様でほとんど機能していなかった。

所管官庁である国交省の建築指導課はメーカーの姿勢にも疑問を呈す。「本来であれば、各社が認定基準を満たすまで性能実験を行うべき。仕様書との確認を業界団体に任せ、それをもって品質保証としてしまうなど、他業界ではありえない」(高木直人課長補佐)。

違反の指摘を受けた2社は今後、個別に性能確認試験を実施。合格したことを国交省に報告したうえで改良品を販売する意向を示している。が、業界全体のずさんな検査体制を根本的に見直さなければ、せっかくのエコポイント特需に水を差しかねない。

(猪澤顕明 =週刊東洋経済2011年2月26日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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