池袋で「人が巻き込まれる事件」が多発する怪奇 辻斬りの供養のために作られた「四面塔」の存在

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池袋の怪談といえば、巣鴨プリズン跡地が有名だが、辻斬りの話などは初耳だった。

店内では酔客がマイクを手にしてカラオケで陽気な歌を唄っている。

そして翌日、私はママに聞いた「四面塔」を訪ねていった。

ここかと、私は足を止めた。

池袋北口の薄暗い地下道をくぐり、地上に出て左手を歩くと、線路沿いにすぐに見つかった。

稲荷の社と並んでそこにある。鉄柵の向こうに賽銭箱と社があり、そのまた向こうに件の四面塔らしき細長い長方形の石塔があった。鉄柵には四面塔のいわれが記されている。

現在の四面塔は、昭和31年5月18日にここに移されたが、もとは西武デパートとパルコの中間ぐらいの駅前にあり、松の木と井戸もあったと、「豊島区史跡散歩」にある。

四面塔は享保6年、1721年9月に、当時の名主・篠太郎佐衛門が池袋村64人の賛同者により建立したもので「池袋村六十四人講中」の文字が、正面には「南無妙法蓮華経」と刻まれてある。

数々の怪異がささやかれる四面塔は池袋東口P'パルコの隣にある。かつてこのあたりで辻斬りが頻発していた(写真:実話ナックルズ編集部)

そばにあった松の木で首をくくる人もあり、辻斬りや追いはぎだけでなく、自死した人の供養も兼ねている。

この辺りは板橋宿に通じる道があり、宿場で遊ぶために懐に金を入れた人たちを賊が狙った。昔は人気もなく、うっそうとした森だった。明治36年に池袋駅が出来たころでも、狐の鳴く声がしたという。

四面塔は道しるべでもあり、左側に「武州豊島郡行けぬ黒村」「南方高田雑司谷道」と刻まれ、右側には建立の日付と「北のほう 板橋みち」と記されている。

「四面塔にたたられた怪異」

四面塔に関する逸話を調べてみると、1959年7月の「週刊東京」に「四面塔にたたられた怪異」という記事を見つけた。

パルコの前身である丸物百貨店で、1週間のうちに2回、不思議な事故があったという内容だ。1つは、池袋に住む寿司屋の主人が3歳の子どもと、丸物百貨店の屋上でヘリコプターに乗って遊んでいると、ヘリコプターが突然落ちて、子どもが落ちてケガをした。ヘリコプターの心棒が折れたのが原因だが、容易には折れないはずのものだった。

もう1件は、それから5日後のこと、同じく丸物百貨店に子連れで訪れていた練馬区の女性が、7階から6階に降りる階段で、何者かに頭を殴られてその場に倒れた。

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