それ以外にも以下のような方法を用いると、エキセントリック・トレーニングが可能になります。
①負荷を軽くして重りを上げる
パートナーがいれば、重りを持ち上げる動作をパートナーにサポートしてもらい、下ろす動作だけを自力で行えばエキセントリック・トレーニングになります。ただ、専門的なサポートのためパーソナル・トレーナーが必要となり、一般の方たちにとっては現実的ではないかもしれません。
一人でも重りを上げる際の負荷を弱め、重りを下ろす際の負荷を強める方法はあります。
例えば、腕立て伏せで、床に伏せた状態から脚を床に着けたまま腕を伸ばせば、負荷を半分程度に減らすことができます。腕を伸ばして上体を反らしたあと、お尻を引き上げて体を真っすぐにし、今度は負荷を強めた状態で腕を曲げて体を下ろしていきます。詳しい動きはのちほどイラストで説明します。
そのほか、ウエイトトレーニングだと、両腕・両脚で重りを上げて、片腕・片脚で重りを下ろすという方法もあります。スクワットでは、両脚で立ち上がったあと、片脚を半歩下げて、前側の脚の力だけで体を沈めていきます。
「代償動作」や「反動」を使ってみる
②代償動作を用いて重りを上げる
代償動作とは、「その運動には本来必要のない動作」を指します。あえて代償動作を取り入れることで、コンセントリックな収縮を弱めることができます。
例えば、下半身の筋肉を鍛えるスクワットでは、あえて腕の振りという代償動作を利用しながら立ち上がります。こうすることで下半身の筋肉にかかる負荷を弱めるのです。そして、立ち上がったあとは、腕の動きは使わず、下半身の動きだけでゆっくりと体を下ろします。
ペットボトルやダンベルなどを用いる上肢の筋トレでは、脚の屈伸という代償動作を利用することで上肢にかかる負荷を減らします。その一例として、肩の三角筋を鍛えるサイド・レイズというトレーニング法をのちほどイラストでご紹介します。
③反動を用いて重りを上げる
反動とは、文字通り反対方向への動作です。
筋肉が瞬間的に強く伸ばされると、弾性エネルギーというエネルギーが筋肉にたまります。このエネルギーを利用すると、ラクに重りを上げることができます。また、筋肉が伸ばされる際には反射的に収縮する伸張反射という防御機能が働いて、筋肉は強く縮みます。反動を使って弾性エネルギーと伸張反射を利用することで、ラクして重りを持ち上げるのです。
素早く膝を曲げてからジャンプをすると高く跳べるのに、膝を曲げた状態をしばらくキープしてからジャンプをすると高く跳べないのは、弾性エネルギーと伸張反射が使えずに筋力だけで跳ぶからです。
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