「出世を目指さない人」の仕事人生はこう変わる 「Web3」で組織に縛られない世界がやってくる
DAOには、そもそも「全体の方針を決める人たちと、それに従う人たちがいる」という分業体制がありません。DAOをつくった人たちも、その主旨に賛同して集った人たちも権利的に同等であるというのは、すでにご理解いただけたかと思います。
株式会社では、どうしても利益は株主や経営者に集中します。社員、契約社員、アルバイトの人たちは労働の対価を受け取るのみです。
こうした「株主、経営者、社員、契約社員・アルバイト」という構図が、そもそも存在しないのがDAOというわけです。
プロジェクトに貢献する参加者にはトークンが配布される。しかもクリプトエコノミーではトークンの流動性(換金性)が発生するタイミングが早く、1年と待たずにトークンを売却してキャピタルゲインを得られることも珍しくありません。これは従業員も契約社員もアルバイトもユーザーも区別なくプロジェクトに貢献することができ、成長することでキャピタルゲインが得られる「自己株」を受け取れるようなものです。
もちろん、トークンをずっと保有し、そのプロジェクトのさまざまな議決に参加したり、自分から提議したりとコミュニティーにコミットし続ける場合もあるでしょう。企業だと、株主の議決権が行使されるのは年に一度の株主総会だけですが、DAOでは、随時、メンバーから「こんなことをしたい。そのためには○○が必要で、かかる期間はAAくらいだと思う。成功したら○○トークンほしい。どうだろうか」などと提議され、メンバーの間で投票が行われます。
ずっと議論されてきた資本主義の課題である経済格差
また、トークンで利益分配を受け、それで生活することができるようになるかもしれません(ただし、国内の暗号資産取引所に非上場のトークンは直接に現金化することはできません)。
メンバーへの報奨として、DAOがトークンをエアドロップ(無償配布)することもあります。たとえばBored Apeは、2022年3月にApeCoin(APE)を発行・上場した際、1万APEをBored ApeのNFT所有者にエアドロップしました。
資本家と労働者の間に生まれる経済格差は、産業革命以降、ずっと議論されてきた資本主義の課題です。
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