「出世を目指さない人」の仕事人生はこう変わる 「Web3」で組織に縛られない世界がやってくる

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資金調達をするものですが、実は、日本ではトークンを発行・上場するだけで重い税を課せられます。したがって、こうした理由から日本でDAOを立ち上げるのは、現段階では事実上、かなり難しいといわざるをえません。

変革DAOのいちばんのカギ

しかし、プロジェクトを立ち上げ、仲間を募って運営していくことなら、暗号資産取引所で流通するトークンとは異なる換金性のない独自トークンだけで可能です。いま僕は「Henkaku」というコミュニティーを主宰していて、そこでは独自トークン「$HENKAKU」を発行しています。

ただ仲間が集って何かを一緒にやろうとしている(たとえば学園祭のように)のではなく、トークンのやりとりを通じて何かを生み出すように機能するコミュニティーであることが、変革DAOのいちばんのカギです。その意味では、あるアーティストのNFTアートを持っている人たちのコミュニティーも一種のDAOと呼んでしまっていいでしょう。

通常、会社をつくるには、弁護士を雇い、定款を書き、自己資本金を準備し、銀行から資金調達し……と時間も手間もお金もかかります。骨の折れる手続きを経て、晴れて会社設立となったら、今度は雇用です。就職・転職サイトに求人情報を出し、ひとりずつ面接するとなると、ここでもまた時間、手間、お金がかかります。

しかし、DAOならば、すべてはブロックチェーン上で行われるため、膨大な書類仕事に追われることもありません。独自トークンの発行なら5分程度、Discordのサーバーを立ち上げるなら10分程度もあれば済んでしまいます。感覚的には「Facebookグループをつくる」くらいの手軽さです。

ただし、これほど手軽につくれるからといって、DAOは決して信頼性に欠けるわけではありません。企業の事業内容や信頼性をはかるには、定款や財務諸表を読み込む必要がありますが、DAOが発行するトークンは、すべてブロックチェーンに記録されます。

ブロックチェーンならば、誰もが簡単に参照できて、しかも改ざんされることはありません。そういう意味では、通常の企業よりも取引や履歴の透明性が高く、信頼性も担保されているといえます。昨今よくいわれる企業コンプライアンスの大半が「透明性」に関するものだと思いますが、ブロックチェーンには、その点をクリアするための機能がそろっているのです。

次ページ立ち上げてしまえば、プロジェクト管理が非常に効率的になる
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