「出世を目指さない人」の仕事人生はこう変わる 「Web3」で組織に縛られない世界がやってくる

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また、いったん立ち上げてしまえば、そのなかでのプロジェクト管理が非常に効率的になる。これもDAOの魅力的なところです。

僕らの「Henkaku」というDAOでは、いろんな人のタスクをToDoリストで管理しており、コンプリートされると、その人への報酬が$HENKAKUで支払われるようになっています。このシステムを立ち上げるのにかかった時間は、せいぜい3分くらいです。

プロジェクトは「パズルのピース」を組み合わせるものへ

web3では、まるでパズルのピースを組み合わせて「1枚の絵」をつくるように、プロジェクト運営が行われています。

さまざまな機能を包摂する企業組織とは違って、DAOは1つの目的、1つの機能に特化したものです。プロジェクト運営を目的とするDAOもあれば、プロジェクト運営に必要なインフラやアプリケーションを開発するDAOもあります。

そこでDAOは、必要に応じてさまざまなアプリケーションを組み合わせ、プロジェクトを運営していきます。

まさにパズルのピースを組み合わせるように、メンバーへの報酬支払いにはこれ、投票にはこれ、ディスカッションにはこれを使おう、という具合にさまざまなツールをコンポーズ=組み合わせて、DAOを運営する。これをweb3の「コンポーザビリティ」といいます。

会社経営には、会計士や弁護士の助けが必要です。自分で書類を準備するなど、膨大な雑務がつきものでしょう。しかしweb3には、すでにユーザーフレンドリーなアプリケーションがたくさんあります。「パズルのピース」が多彩にある。いいかえれば自分でやらなくていい部分が多いということです。

いわば「DtoD(DAOtoDAO)ビジネス」があることで、プロジェクトDAOは、すべての機能を包摂することなく、必要に応じてほかのDAOと結びつきながら、みずからの目的を純粋に追求していくことができるわけです。

そういうものを活用しながらDAOを立ち上げる人がどんどん増えていったら、旧来型の士業の必要性は薄くなってしまうでしょう。ひょっとしたら、今後の生き残りをかけてテクノロジーを猛勉強し、スマートコントラクトを専門とするような「クリプトエコノミー(暗号資産によって成り立っている経済圏)型の士業」に転身する人たちも出てくるかもしれません。

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