中国スマホ市場「出荷台数」が4割減の背景事情 コロナ再流行で消費者の買い換え意欲が萎縮

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中国のスマートフォン市場ではユーザーの買い換え周期が延びている。写真は通信機器大手、華為技術の専売店(同社ウェブサイトより)

成長鈍化に悩む中国のスマートフォン業界に、新型コロナウイルスの再流行が追い打ちをかけている。中国工業情報化省直属のシンクタンク、中国信息通信研究院が5月16日に発表したデータによれば、2022年3月の携帯端末の国内出荷台数は2146万台にとどまり、前年同月比40.5%の大幅減を記録した。

同じく中国信息通信研究院のデータによれば、1~3月期の携帯端末の国内出荷台数は累計6934万6000台と前年同期比29.2%減少した。一方、複数の民間市場調査会社が発表した1~3月期のスマホの国内出荷台数は7200万~7500万台、前年同期比の減少率は13~18%であり、中国信息通信研究院のほうがより厳しい数字になっている。

この落差は何を意味するのか。市場調査の内情に詳しい関係者によれば、中国信息通信研究院のデータは(スマホメーカーが生産段階で工業情報化省に提出する)携帯端末のネットワーク接続許可の申請数を集計したもので、市場の販売データの動きとは約2カ月のタイムラグがあるという。

言い換えれば、中国信息通信研究院のデータは、スマホメーカーが4~6月期の販売についてさらに悲観的に見ていることを示唆している。

買い換え周期は約30カ月に

「中国経済全体の減速に新型コロナの再流行が重なり、消費者の購買意欲が萎縮している」。市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチのアナリストの張祺氏は、スマホ出荷台数の大幅な落ち込みの主因をそう分析する。

「スマホに対する消費者のニーズは底堅いものの、買い換え意欲は高くない」(張氏)

本記事は「財新」の提供記事です

市場調査会社カナリスのアナリストの劉芸璇氏も、ほぼ同様の見方を示す。もともと下がっていた消費者の買い換え意欲に、新型コロナの再流行が拍車をかけている状況だという。

別のアナリストによれば、中国のスマホユーザーの買い換え周期は、2019年の平均約24カ月から現在は同約30カ月に延びている。「最近のスマホには(驚きを誘う)イノベーションが少なく、買い換え意欲を刺激するには力不足だ」。前出の張氏はそう指摘した。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は5月17日

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