「名画観察」で子どもの読解力と表現力が伸びる訳 正しい読解を邪魔する「思い込み」を解放する

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①の「飛ばし読みタイプ」は、文字をどんどん飛ばして読む読み方。書かれていることをきちんと見ていないのですから、文章の意味内容が正しく理解できなくて当然ですよね。

②の「主観読みタイプ」は、自分ではそんなことをしているつもりはないけれど、文章を自分勝手に解釈し、話をつくり変えてしまう読み方。これは教室で実際にあった例ですが、「みにくい(醜い)アヒルの子」を、灰色だから「みにくい(見にくい)アヒル」なのだろうと誤解したまま、本を読み進めている子もいました。

主観読みをする子は皆、自分では「読めている」と思っているので、国語のテストで点数がとれない事にも納得がいきません。自分が思った通りのことを書くとすべてバツになるのですから、国語が嫌いになるのもわかる気がします。

③の「文字通り読みタイプ」は、文字ではっきり明示されていることしか理解できない、いわゆる「行間が読めない」子の読み方です。

今回は、この3つの読みグセの中でも、改善するのに一番手間ひまがかかる、やっかいな読みグセ「主観読みタイプ」の改善方法についてお話ししましょう。

 思い込みが読解の邪魔をする

人は誰しも、多くの思い込みや先入観を持っています。小さい頃、親や周囲の大人たちから言われてきたこと、偶然自分が見聞きしたり、体験したりした出来事によって、自分なりの物差しを作り上げ、その物差しを基準に世の中のあらゆる事象を解釈しているのです。

例えば、子どもに次のような絵本を読み聞かせるとしましょう。

「昔々あるところに、おばあさんとおじいさんが住んでいました。ある日、おばあさんは山に猟に行き、おじいさんは川で洗濯をしていました」
と、ここまで読んで、違和感を覚えない大人はおそらくいないのではないでしょうか。

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