私は、このような動きを歓迎する。それは、コロナは、時に小児に対しても深刻な問題を引き起こすからだ。3月13日、スイスのノバルティスファーマの研究チームは、小児がコロナに罹った場合、4週間を超える情緒不安定、疲労、睡眠障害などの合併症が、25%程度の頻度で出現すると発表している。小児のコロナ感染は重症化しにくいが、深刻な後遺症を被る可能性がある。
コロナ後遺症対策は、世界中の研究者が関心を寄せる喫緊の課題だ。各地で研究が進んでいる。5月18日、イギリスの国家統計局などの研究チームは、ワクチン接種群では、感染後の後遺症の発症頻度は1回目接種で13%、2回目接種でさらに9%低下したとの臨床研究の結果をイギリスの『BMJ』誌に発表し、ワクチン接種が後遺症にも有効である可能性を示した。
厚労省は承認したが子どもの2回接種を進めていいのか
厚生労働省は、1月21日、5~11歳の子どもに対する2回接種を承認した。投与量は成人の3分の1だ。果たして、このまま接種を進めていいのだろうか。私は、一層の情報開示と個別対応が必要だと考えている。その理由は、安全性について懸念があるからだ。
先日、知人の40代の女性から、「8歳の息子にワクチンを打つべきか迷っている」と相談された。彼女は小柄だ。ファイザー製ワクチンを2回接種した時には、自分自身も倦怠感や発熱など強い副反応に苦しんだ。息子の体重は24キロで、8歳児の平均(27キロ)より少ない。彼女は「8歳児でも小柄な息子が、11歳児と同じ量のワクチンを打って大丈夫か不安」と言う。
私は彼女の疑問はもっともだと思う。子どもへの接種が進む今こそ、ワクチンの安全性について議論を深めなければならない。コロナワクチンに限らず、ワクチンは副反応を伴う。そして、時に致死的になる。どうすれば、少しでも安全性を高めることができるだろうか。もっと議論する必要がある。
3月22日、このことについて検証した医療ガバナンス研究所の論文がアメリカ『Cureus Journal of Medical Science』誌に公開された。中心になったのは山下えりかと瀧田盛仁だ。ご紹介したい。
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