子供にコロナワクチン、不安な人に伝えたい事情 予防のメリットと副反応、投与量をどう考えるか

✎ 1〜 ✎ 245 ✎ 246 ✎ 247 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

本研究では、厚労省が公表した副反応情報、アメリカのワクチンデータベース「VAERS」、および欧州のデータベース「EudraVigilance」を用いた。いずれも公開情報である。詳細は省くが、3つのデータベースすべてで、ワクチン接種後2日目に死亡の報告が増加していた。図1は日本のデータだ。

図1

(外部配信先では図などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

ただ、ワクチン接種直後の死亡の増加は報告バイアスの可能性がある。報告バイアスとは、ワクチン接種後、数日で亡くなった場合、本当は別の病気が原因だったのに、ワクチンとの関係を疑ってしまい、死亡例の報告が増えることをいう。コロナワクチン接種後の死亡の原因は心不全や脳卒中が多い。ワクチン接種後の死亡に特異的な死因はないため、このようなデータをいくら提示しても、ワクチンの安全性を論じることはできない。

男性と女性でどう違うか

では、どうすればいいのか。われわれが注目したのは性差だ。ファイザー製のワクチンの投与量は、アジア諸国が参加していない国際共同第一相臨床試験に基づいて設定されている。その結果は、『ニューイングランド医学誌』に2020年10月14日に掲載されている。この試験では、参加したボランティアを10マイクログラム(1マイクロは100万分の1)、20マイクログラム、30マイクログラムの投与群に振り分け、副反応の頻度を比較しているが、副反応は用量が増えるほど増加している。

例えば、18~55歳に対する2回目接種で発熱が生じた頻度は、それぞれ0%、 8%、 17%だし、倦怠感は33%、58%、 75%、悪寒は8%、 42%、 58%である。つまり、投与量を増やすほど、副反応は強くなるのだが、世界各国が承認した投与量は、人種、性別、体重にかかわらず、1回あたり30マイクログラムだった。小柄な人には副反応が強くなる可能性がある。ちなみに、5~11歳児の投与量は、年齢・体格にかかわらず、全世界で一律10マイクログラムだ。

話を戻そう。では、誰が危険だろうか。まず、思い浮かぶのは女性だ。日本人女性成人の平均体重は約50キログラム。一方、日本人男性の平均体重は約70キログラム、アメリカ人男性は約90キログラムだから、日本人女性は、日本人男性の1.4倍、アメリカ人男性の1.8倍のワクチンが投与されている。

次ページデータベースを解析してみると?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事