やれやれ今度は「サル痘」か ――そう思った人も多いだろう。人々の関心が脱マスクへと向かい、withコロナをじわじわと受け入れ始めた矢先、また新たな感染症のニュースが飛び込んできた。
国内での報告はまだなく、どこか他人事で聞き流している人も多いだろう(新型コロナ発生当時のように!)。
だが、サル痘は水際でストップすることが難しく、日本への流入も時間の問題に見える。一方で、新型コロナに比べれば安心できる材料もある。
いざというときに大あわてする前に、正しい知識を共有しておきたい。
「サル痘」が世界で発生する異常事態
サル痘はアフリカでは継続的に患者が発生してきた、ウイルス感染症だ。発熱や頭痛、筋肉痛が続いた後、全身に水ほうや膿ほうができる。
アメリカ疾病対策センター(CDC)によれば、1958年に研究用の飼育サルの群れで発見されたために、この呼び名が付いたという。自然界では、もともとネズミの仲間(げっ歯目)が保有しているウイルスだ。
1970年にヒトでの感染が現在のコンゴ民主共和国で確認され、以降、アフリカ大陸の西部~中央部では毎年およそ数千人の患者が発生している。
それでも、他の大陸で感染拡大が確認されることはほとんどない。ごくたまに発生する症例は、アフリカへの渡航歴があるか、輸入動物由来で、そこから飛び火することもなかったようだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら