「最近の若者は…」が若者の心に響かない深い理由 主語を変えるだけで伝わり方は大きく変わる

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このような定義をそのまま鵜呑みにし、例えば「Z世代はエシカルな商品を好む世代だ」と定義して商品開発をするようなケースは少なくありません。ですが、Z世代はみんながみんな、同じ考え方をしているのでしょうか。

例えば、夕食でテレビを囲む家庭はたくさんあるはずです。性的マイノリティの学生がいじめを受けて、不登校になるといった悲しい事件もあるといわれています。「Z世代」「ゆとり世代」「バブル世代」「ガラケー世代」といったように、世代をデカい主語としてひとくくりに語ることは、そう単純なものではないのです。

Z世代の大枠の傾向を捉えていたとしても、数値的にはどうなのかを語らなければ実態と乖離してしまいます。

とある調査によれば、「自らの消費活動を通じて社会の課題解決に貢献したい」と考えるミレニアル世代が26パーセントに対して、Z世代は35パーセントという結果が出ています。

Z世代は他の世代に比べて、相対的にエシカルな感覚の持ち主とはいえそうですが、それでもすべて同じだと断定する根拠は薄いと言わざるを得ないでしょう。

「自分なら」と主張することが大切

それ以外にも、「あなたが好きそうなケーキ屋さんを見つけたんだけど、行きませんか」よりも「私が見つけたケーキ屋さんが美味しそうなんだけど、一緒にどうですか」のように伝えるのも大切です。

つまり、私という「一人称」で会話を切り出したり、メール文を書くということです。これだけでも、言葉を受け取る相手の印象はガラッと変わると思います。特に食の好みというのは、年齢や食べる時間によっても変わるものですし、自分の好きなものでさえもどんどん移り変わっていくはずです。

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また、「相手の立場になって考えてみよう」といったアドバイスを上司からもらうケースもあると思います。そんなときも、一人称を意識して「自分ならどうするか」「自分ならこうする」というのを大切にしてはどうでしょうか。

仮に100パーセント、相手の気持ちを理解できる人がいるのなら、ヒット商品やベストセラー小説をバシバシ生み出し、ポーカーやバカラで大儲けしていることでしょう。相手の立場になって考えるのも、そう簡単なことではないのです。

完全に他人の気持ちを想像できなくても、コミュニケーションにおいて「自分ならこうする」があれば十分なケースはたくさんあります。なぜなら、自分という存在は決して珍しいものではなく、日々向き合っている私という一人称で考えれば解決することばかりだからです。

小竹 海広 クリエイティブディレクター

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おだけ みひろ / Mihiro Odake

TBWA HAKUHODOなど外資系広告代理店にてコピーライターに従事し、現在は都内の広告会社にてクリエイティブディレクターを務める。過去にマクドナルド、日産、アディダス、ゼンショー×シンエヴァンゲリオン、岡崎体育÷JINRO、TikTok、ABCマート、スタートアップ企業などのコピーライティングやCMプランニングを担当。ヤングスパイクスアジア日本代表・本戦特別賞、アジア太平洋広告祭ADFEST銀賞、釜山国際広告祭NEW STARS銅賞など、海外での受賞多数。

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