「最近の若者は…」が若者の心に響かない深い理由 主語を変えるだけで伝わり方は大きく変わる

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「最近の若者は……」と嘆く前に、若者たちの心に響く言葉を考えてみることも、ときには必要です(写真:Fast&Slow/PIXTA)
多様化する世界の中で、言葉が氾濫する昨今。きっと誰もが言葉で誰かを「傷つけた」「誤解させた」「モヤッとさせた」経験があるのではないでしょうか。
誹謗中傷や新型コロナウイルス、国際的な分断が深まり、SNS上で言葉が残ってしまう昨今では、「言葉えらび」がいっそう重要になっています。
目まぐるしいテクノロジーや社会の変化に合わせて、私たちが発する言葉をもっと注意深く扱い、現代に合わせてアップデートするための「24の言葉の型」をまとめた小竹海広氏の新刊『言葉のアップデート術』より、そのヒントを紹介していきます(1回目)。

「〜だとみんなが思っている」「〜は欧米では当たり前」「最近の若者は〜」など、それぞれの事情を考慮していない言葉を目にする機会があります。これをネットスラングで「主語がデカい」といいます。特定の人や自分のことを主語として使うのではなく、あたかも不特定多数の人が主張するかのように伝える手法です。

「デカい主語」は違和感を与えやすい

この手法を使うと、誰でも簡単に強い言い方ができることから、仕事での会議や日常で使用されるシーンは少なくありません。

しかし、聞き手にとっては「みんなって具体的に誰のこと?」「欧米に住んでいたわけでもないのに、なぜそんなことが言えるの?」といった違和感を与える言い方なのです。

「最近の若者は礼儀知らずだ」と口にする人たちは、若者のすべてが礼儀知らずと言いたいのではなく、若かりし頃の自身の経験を吐露しているだけ、なんてこともあるでしょう。

カリフォルニア大学のジョン・プロツコ教授は、「人類は少なくとも2600年にわたり、『最近の若者』に対して不服を述べてきた」という研究を発表しています。この研究結果が事実ならば、主語をデカくしてしまうのは、歴史のなかで長く存在してきた現象といえるのかもしれません。

ほかにも例えば、友だちとの何気ない会話でのワンシーン。

「女性はみんな、〇〇が好きだよね」と特定の集団としてカテゴライズして好みを断定すると、当てはまらない人はモヤモヤした気持ちになるはずです。他の人とあなたも同じだろう、と決めつけてしまうと、その個性を否定してしまいかねないのです。

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