「出社圧」に悩む人へ心身の健康を保つ3つの方法 在宅勤務からフル出社で寝つきが悪化する人も

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ゴールデンウィークも明けるといよいよ出社再開が本格化した企業もあり、“フル出社圧”に悩む人も少なくない。長期間に及んだ在宅勤務中心の生活から、出社中心の生活に戻す際に、心身の調子を崩してしまう人もいる。

関東に住む50歳の女性も、出社再開で不健康な生活に戻ってしまった一人だ。

女性は2年前、通っていたスポーツジムをコロナで休会。代わりに自宅で腕立て伏せやスクワット、腹筋などの「宅トレ」を始めたら、ハマった。

AERA 2022年5月23日号より

在宅勤務の前後に各40分宅トレ。昼食はささっと食べ、30分間ジョギング。汗をかいて気分がスッキリし、夜は熟睡できる。開始3カ月目にはおなかの縦、横にラインが入り、人生初の「割れたおなか」を手に入れた。その体形を維持し1年半。「いつでもビキニ姿になれる体」になったと喜んでいたのだが……。

「昨年11月から元の勤務形態に戻り、しかも異動して、自分で予定を立てられなくなり、宅トレとジョグの時間が取れなくなってしまいました」(女性)

「筋肉は裏切らない」とよく言われるが、その逆も然り。おなかの「割れ」は消えていった。

心身の健康保つ生活を

眠りの質も低下した。寝つきが悪く、夜中に目が覚める。昼は眠く、ブラックコーヒーを何杯も飲むため、それがまた寝つきの悪さにつながっている。

公認心理師の潮英子さんのもとには、出社が再開されて「会社の人間関係が嫌、仕事が合わないと改めて痛感するようになった」といった相談が寄せられているという。潮さんは言う。

「そういう人に、特にお勧めしている三つの方法があります」

まず、体と心はつながっているので、心身の健康を保つ生活を送ること。夜更かしは避ける。睡眠を促すホルモン、メラトニンの原料で、幸せホルモンの別名を持つ神経伝達物質セロトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が悪くなり、疲労感が蓄積し、体と心の不調を招きかねない。

■“在宅時差ボケ”状態に

次に「リフレーミング」。物事を見る枠組みを変えて違う視点で捉え、前向きに解釈するコミュニケーション心理学の概念だ。

「人間関係が嫌、会社が合わないとマイナスに捉えるのではなく、それに気づけてよかった、新しい仕事に挑戦するチャンスだなどと捉えるのです」(潮さん)

そして「書き出し」。勤務形態が変わって何がプラスになり、何がマイナスになったかを紙に書き出す。例えば、「コロナで飲み会が減り、実は飲み会が好きじゃない、アルコールがそもそも好きじゃないと気づいた」のであれば、今後飲み会に極力参加しない。プラスを増やし、マイナスを減らしていくのだ。

「カウンセリングでよく聞くのが『もやもや』という言葉。書き出すことでプラス、マイナスが可視化され、それならああしよう、こうしようと未来志向で考えられます」(潮さん)

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