スタートアップ企業が参入、電動バイクの行方 航続距離や充電時間の長さをどう解決するのか

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スタートアップ企業が第49回 東京モーターサイクルショーに出展していた電動バイク(筆者撮影)
スタートアップ企業が第49回 東京モーターサイクルショーに出展していた電動バイク(筆者撮影)

カーボンニュートラルに向けた電動化の潮流は、バイクのジャンルにも徐々に波及しているが、まだまだ4輪車のように各メーカーがさまざまな新型車を市場投入するまでには至っていない。とくに車体が比較的小さなバイクでは、大容量バッテリーの搭載がむずかしく、充電時間のわりに航続距離が短く、出先などで充電する効率的なシステム作りやインフラ整備など、実用化への課題は山積みだ。だが、ZEV(ゼロエミッションビークル)に対する世界的なニーズは、バイクも例外ではない。電動車など、排出ガスを出さないモデルが求められていることは4輪車と同様で、将来的にはガソリン車からの切り替えニーズが高まることが予想されている。

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そんな時代の変化をビジネスチャンスと捉え、いわゆるスタートアップ企業が電動バイクのメーカーを立ち上げたり、海外製モデルの輸入販売を手がけたりする事例も増えてきた。バイク関連の一大イベント「第49回 東京モーターサイクルショー(2022年3月25~27日・東京ビッグサイト)」にも、「アイデア(aidea)」と「ジーム(XEAM)」という2つの新興ブランドが出展していた。アイデアは業務用のオリジナルモデル、ジームは一般乗用向けに海外製の電動バイクを輸入販売するといった違いはある。だが、いずれも国内4メーカー(ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ)やBMWなどの輸入車メーカーといったメジャーどころではなく、インデペントで電動バイクを扱っている点では同じだ。

ここでは、そうした2社が扱う製品や取り組みを紹介することで、バイク業界における新たなトレンドを紹介する。

主に企業向けに電動バイクを販売する「アイデア」

アイデアのAAカーゴ(筆者撮影)
アイデアのAAカーゴ(筆者撮影)

 

アイデアは、宅配など業務用の電動3輪スクーター「AAカーゴ」を製造販売するメーカーおよびブランドだ。東京都港区に本社を構える同社の設立は2019年、AAカーゴの発売は2020年というから、まさにコロナ禍の真っ直中に事業を開始。国からの自粛要請などの影響もあり、自宅での飲食が増え、フード関連のデリバリー需要が増加したこともあり、近年注目を集めている企業のひとつだ。

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