スタートアップ企業が参入、電動バイクの行方 航続距離や充電時間の長さをどう解決するのか
同社の製品でとくに注目したいのが、近年需要が伸びている原付二種モデルだ。例えば、オーストラリアのブランド「スーパーソコ(SUPER SOCO)」が製造するネイキッドスポーツ「TSストリートハンター」や、カフェレーサースタイルの「TC(ティーシー)」などは、ここ数年、東京都内でもたまに見かけるようになった。ちなみに、筆者が付き合いのある東京都世田谷区のバイク店「モトショップ功和」も認定正規販売店として最近取り扱いをはじめ、ユーザーは徐々に増えているという。
TSストリートハンターやTCは、いずれもシート下に最大2個のバッテリーを収納できる。バッテリーは取り外し可能で、自宅の室内に運んで100Vの家庭用コンセントで充電可能だ。また、バッテリー1個のみ使用する場合は、シート手前のバッテリー収納部が小物を入れられるスペースにもなる。
バッテリーの充電時間は1個あたり約8時間で、航続距離はTSストリートハンターがバッテリー1個で70km、2個だと140km。TCはバッテリー1個で55~60km、2個で110~120km。なお、最高速度はTSストリートハンターが75km/h、TCは60km/hとなる。価格(税込み)は、バッテリーの個数で価格が変わり、TSストリートハンターで39万9800円~49万9800円。TCが29万9800円~39万9800円だ。
中国ブランドの電動バイクも販売
ほかにも中国ブランドの「トロモックス(TOROMOX)」が製造する「ウッコ エス(UKKO S)」なども、ジームが手がける原付二種の電動バイクだ。こちらは、スーパーソコ製より車体が小型で、脱着式バッテリー1個を搭載。最高速度は90km/hで、航続距離は90km。バッテリーは自宅で100Vの家庭用コンセントを使い充電可能なことも同様で、充電時間は約11時間だ。なお、価格(税込み)は64万9800円だ。
コロナ禍以降、バイクは密を避ける移動手段として見直され、市場は拡大傾向だ。とくに50ccを超え125ccまでの原付二種は、50cc以下の原付一種と比べ、速度制限がない一般道路での最高速度が60km/まで(原付一種は30km/hまで)、2段階右折も不要(原付一種は3車線以上ある道路で必要)など、使い勝手がいいことで人気が高い。ちなみに、原付二種も高速道路は走行できないが、最近は比較的近い郊外をツーリングするなど、レジャー用途で使うユーザーも多い。
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