スタートアップ企業が参入、電動バイクの行方 航続距離や充電時間の長さをどう解決するのか

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ピザクックで使用されているAAカーゴ(筆者撮影)
ピザクックで使用されているAAカーゴ(筆者撮影)

AAカーゴの航続距離や充電時間を考慮すると、走行可能な距離の一定ルートを走る配送業や、店舗から顧客の自宅など近距離を走行する宅配業などが主になるのは当然だろう。とくにコロナ禍以後は、eコマース普及も影響し、小口の貨物運搬への需要が増えたが、業者が対応するためには、4輪車よりも小型な3輪スクーターのほうが機動性も高い。DHLジャパンの導入例がそれに当たる。また、ドミノ・ピザ ジャパンやイワタダイナースのように、ピザなどの食品配達も同様で、店舗から顧客の自宅など近距離の宅配であれば、小まわりが利く3輪スクーターほうが使いやすい。しかも、導入企業にとっては、電動バイクのほうが環境負荷の軽減や騒音の削減といった社会課題に対する取り組みをアピールしやすい。

ちなみにAAカーゴは、ほかにも日本マクドナルドが2020年10月より、同社「マックデリバリー」の宅配車として導入したことでも話題となった。有名企業が次々と導入していることも、同社のAAカーゴが近年注目を浴びている大きな要因だ。

ショーに展示したコンセプトモデルのAA-1(筆者撮影)
ショーに展示したコンセプトモデルのAA-1(筆者撮影)

同社の電動バイクは、今のところ主にBtoB向けであるが、将来的には一般ユーザー向けモデルも視野に入れている。今回のショーで展示したコンセプトモデル「AA-1」がそれで、こちらもルーフ付きの電動3輪スクーターながら、AAカーゴと違いフロント2輪、リア1輪を採用。独自の車体構造を採用することで、2輪車の楽しさや手軽さと4輪車の安定性などを両立する次世代モビリティとして開発しているという。また、ルーフは開閉式にすることで晴天時の開放感も演出するなど、一般ユーザーが走りを楽しむための機能を採用する。ほかにもフロントスクリーンにはワイパー、車体後部には大型リアボックスを装備することで、ツーリングなどでの高い実用性も備える。スペック、発売時期、価格は未定だが、同社では、こうした一般ユーザー向けモデルも手掛けることで、新たな市場開拓を目指す方針だ。

多種多様な電動バイクを取り揃える「ジーム」

一方のジームは、福岡県福岡市を拠点とする「MSソリューションズ」が2017年に立ち上げた電動バイクブランドだ。主に中国やアメリカ、オーストラリアなど新興メーカー製の電動バイクを輸入販売している。取り扱いモデルは、50ccバイク相当の原付一種から、125cc相当の原付二種、350cc相当の小型二輪、1000cc相当の大型二輪まで幅広い。ジャンルもスクーターからロードスポーツ、オフロードタイプまでさまざまで、20機種以上もの電動バイクをそろえる(2022年3月末現在)。

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