スタートアップ企業が参入、電動バイクの行方 航続距離や充電時間の長さをどう解決するのか
ジームの担当者によれば、同社が扱う原付二種の電動バイクは、やはり「コロナ禍以降に需要が伸びている」という。電動バイクは、ガソリン車と比べると航続距離は短いが、ユーザーの多くが「通勤・通学や買い物などの普段の足として購入する」そうだ。また、ガソリン車に乗ったことがないバイク初心者も多く、排出ガスが出ないエコな乗り物として購入するのだという。さらにユーザーの多くは、最初「電動バイクは価格が高い」というイメージを持っているが、前述のスーパーソコなどは20万円台から買えるモデルもある。「意外に安い」ということも、ユーザーの購入動機に繫がっているそうだ。
ジームが扱う電動バイクは、2021年11月時点で、累計出荷台数が2400台を突破した。とくに一般乗用向けの電動バイクは、まだ需要が少なく、存在自体もあまり知られていないが、同社のモデルが徐々にではあるが、存在感を増してきていることだけは確かだ。
ジームの担当者によれば、「企業への商用モデル販売」も課題のひとつだという。企業への導入が決まれば、ある程度まとまった台数の販売が可能となる。そのため、同社では、最近、スーパーソコも手がけるメーカー「ブイモトグループ(Vmoto Group)」社の原付二種スクーター「ブイモト・ブイエスワン(Vmoto・VS1)」の取り扱いも開始した。約150kgの耐荷重性能を持ち、主に荷物運搬などに使えるモデルだ。
主な特徴は、車体前後にキャリアを標準装備するほか、オプションには70Lの大容量フロントバスケットも用意し、高い積載性を確保していること。バッテリーはシート下に2個収納でき、家庭用100Vコンセントのほか、アダプターを使えば200Vの普通充電にも対応する。最高速度は80km/h、航続距離は140km、バッテリーの充電時間は1個あたり10~11時間。価格(税込み)は64万9000円だ。従来のBtoCに加え、新たにBtoBの戦略を行うことで、同ブランドの知名度や市場における存在感などが、今後どのように変化していくのか興味深い。
電動バイクの課題や混沌
国内における電動バイクについては、ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキの2輪車4メーカーが2019年4月に「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」を発足し、交換式バッテリーの共用化を進めている。各メーカーの電動モデルに搭載するバッテリーを共通の交換式にすれば、残量がなくなった際に交換ステーションなどに設置したフル充電バッテリーと交換するだけで、航続距離が短いことや充電時間が長いなどの課題を解決できるからだ。
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