33歳の私がMBA取得後わかったキャリアの作り方 ロンドンのキャリア女性が実践する質問と表現

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常に新しい「すべき質問」を教えてもらっている気がする。この間、アリアナ・ブームの真っ最中に入社したフランス人の同僚、セイラちゃんと話をした。私の業界の人たちの多くは、家賃が高くて街並みが綺麗に整っている西ロンドンに住まいを持っているが、彼女は私と同じく数少ない東ロンドン人。仕事前にコーヒーを買ってテムズ川沿いを2人で歩いていて、昇格の話になった。

「給料をあげてほしい。だから今年何をすれば昇格できるのか今度上司と話すのよ」と彼女が言った。「綾はいつ昇格できるの?」

私は人数が少ないチームで働いているし、上司が転職しなそうなので自分に昇格があり得ること自体をあまり考えていなかった、とセイラちゃんに恥ずかしく思いながら言ったら、彼女はガッカリしたような顔をした。

「上司に聞いたほうがいいよ! それぐらい。何をすれば昇格できるんですかって。今度聞いてみたほうがいいよー」

そう言われて、自分が「昇格とは上から降りてくるもの」だとずっと思っていたことに初めて気づいた。

自分の主張がきちんと言えてこそ

もちろん、質問する裏に必要なのは、自分の中にちゃんと回答があること、つまり自分の主張がきちんと言えることだと思う。質問って理解を深めたり新しい情報を得たりするためのものだけど、主張って自分の理解と持っている情報を示すもの。働いている女性たちは質問──いつどんな質問をしたらいいか──だけじゃなくて、主張──どこで何をどう主張すればいいか──でも悩んでいる、ということも、周りの同僚たちが教えてくれた。

同じような話だけど、「ものの言い方──はっきりした表現──」っていうのもすごく大事だ。

転職を考えて、MBA時代の友達に履歴書を見せたときのフィードバックは意外だった。

「これ、経歴の中身はいいけど、綾は受け身の表現を使いすぎ。注意したほうがいいよ」

そんなことを指摘されたのは初めてだった。受け身の表現ってどういう意味? 友達に詳細を聞いたら、具体例を出して言われた。

次ページ大事なのは、自信を持って自分の実績を堂々と主張すること
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