33歳の私がMBA取得後わかったキャリアの作り方 ロンドンのキャリア女性が実践する質問と表現
転職など重要な決断をしなければいけないときだけじゃなくて、普段からいろんなことをメンターたちに相談すればいい、とRさんは思って「自分の取締役会」を立ち上げることにした。取締役になれる条件は、「彼女と一緒に仕事をしたことがあるか」、そして「彼女をよく知っているか」。
なぜかと言うと、彼女の仕事上の能力や専門知識のことだけじゃなくて、個人としての彼女の強みや弱みを理解したうえでアドバイスをくれる人が大事だから。例えば、彼女がまた別の転職を考えたとき、ある取締役が「ちょっと待って。このポジションは出張が多そうだけど、以前Rさんは、『出張を減らしたい』と言ってなかったかな? これで本当にいいの?」と異議を唱えて、彼女に再考を勧めた。
それから10年、今では彼女の取締役会には8人の取締役と1人の会長がいる。Rさんは定期的に彼ら彼女らにキャリアや自分の成長について相談している。メンバーはずっと同じというわけじゃない。仕事の分野を変えたり、自分が成長していくのに合わせて彼女はメンバーを入れ替えている。
ネットワークも両方持っているのが大事
彼女曰く、「個人の取締役会」は、自分の個人的なネットワーク、とは少し違う。取締役会はマクロ的なこと、人生の方向性みたいなことについて相談できるだけじゃなくて、自分の勤め先の会社の中での応援もしてくれる、キャリアアップやプロモーション(出世)を後押ししてくれる人たちのネットワークでもある。キャリアステップを踏んで行くには、そういう取締役会を作らなければいけない。ネットワークと取締役会、両方持ってるのが大事。
彼女が取締役会にノミネートした人たちはみんな喜んで参加してくれたそうだ。「彼ら彼女らは私の成功を応援したい。私が成功することは彼ら彼女らが成功するのに等しいから。私のメンターになることに彼ら彼女らはやりがいを感じているし、私もそれに応えるように頑張っている」と彼女は私に説明した。
Rさんの話を聞いて、考えさせられた。私は大事な決断をするときに、Rさんと同じようにいろんな人に相談して、いろんな意見を聞いたうえで判断する。そこから、私は「取締役」的なメンターたちと関係を深めようとしている。しかし、30代前半の私にとって偉いメンターたちより、同世代の同僚とMBAのときの友達がキャリアを考えるうえで役に立っている気がする。
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