33歳の私がMBA取得後わかったキャリアの作り方 ロンドンのキャリア女性が実践する質問と表現
私たちはもう仕事の仕方とコミュニケーションの仕方を覚え、社内政治にもある程度対応できるようになってきたので、キャリア作りの基本知識は持っている。偉い人たちが教えてくれる「長期的にキャリアを考えること」はもういい。私たちはもっと細かい情報を求めている。「昇格のときはどうすればいい」「給料を交渉するときはどうすればいい」「どこで転職先を探せばいい」。私たちは「『この場合』にすべき質問」を知りたい。
「すべき質問」とは何か。
消極的なキャリア作りと積極的なキャリア作りの違い
キャリアのうえで、質問をしなかったことで機会が流れることが多い。例えば、海外に転職をしようとしている人が、「引っ越し代は出してもらえますか」と会社側に聞かなかったら、会社は引っ越し代を出してくれないかもしれない。聞けば、もしかしたらイエスの可能性もある。聞かなかったら可能性はずっとゼロ。キャリア作りも同じこと。消極的なキャリア作りと積極的なキャリア作りの違いはやっぱり質問をすることだ。
例を挙げよう。MBAに行く前は、給料の交渉=基本給とボーナスの交渉、と勝手に思い込んでいたけど、MBAで交渉のメニューは他にもいろいろあり得ると教えてもらった。例えば、週に何回在宅勤務していいのか、引っ越し代(日本でいう「赴任旅費・手当」)や、自宅をオフィスにした場合のネット関連費用を出してくれるか、契約金(スポーツ選手なんかにあるやつです!)の有無、初勤務日はいつになるか……交渉できる項目は無限にある。ただし、その「あり得るメニュー」を知らなければ交渉できない。質問することさえ思いつかない。
だからメンターと違って、緊張感がなくて、オープンかつ率直に「すべき質問」と情報交換ができる同世代の女性たちの支援がすごく大事だと感じるようになった。実際、今まで「すべき質問」をたくさん教えてもらった。投資ファンドからオファーをもらったときには、そのファンドのリターンを聞いたほうがいい(ファンドは一般的にリターンを公表しないので、雰囲気が立派でもそこが本当に儲かっているかどうかは見定めにくい)。
スタートアップからオファーがきたら彼らが投資家に見せている資料やビジネスプランを見せてもらったほうがいい(多くのスタートアップはキラキラしてて立派に見えるけど、内部資料を見ないと本当のところはわからない)。会社の外で新しいスキルを身につけたい、あるいは業界のイベントに行きたいなら、会社にお金(費用)を要求すればいい。まず聞くこと。聞かないのは損。
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