文章が冴えてる人は結論の使い方が抜群に上手い 5W1H押さえロジカルに徹するだけでも伝わらない

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<例:顧客 S 社とのトラブルについて
昨日の 14 時(When)に、顧客 S 社(Where)に納品された商品に不良品が混入している(What)ことが、S 社からの連絡で明らかになった。営業担当の山田(Who)が S 社を訪問し、総務部田中課長に謝罪(Who)した。不良品は速やかに回収し、明後日までに再納品することで合意(How)した。原因は調査中でわかり次第報告する(Why)。>

間違いなく、「5W1H」が報告書向きであることがわかります。ロジカルに書かれているので、ことの顛末が第三者にもよくわかります。事実を淡々と伝えれば、基本的な報告書は完成します。

「ロジカル」で感動は生まない

ビジネスの世界では、5W1Hを意識してさらにロジカルを意識することで、ビジネスを潤滑に進めることができるという人がいます。また、このように伝えられる人が「デキる」と評価される向きさえあります。しかし、それは幻想です。

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ロジックやロジカルは相手を説得したり、事実を客観的に伝えるためのフレームワークにすぎません。そこからは何も価値は生み出されません。どの会社にも、必ず「ロジカル・バカ」みたいな人がいますが、人の気持ちはロジカルでは動きません。

テーマが「コロナ」だろうが、「経営課題」だろうが、「鬼滅の刃」だろうが、どんなことでもロジカルに説明することはできます。ただそれはあくまでも、報告書という体裁の場合だけなのです。

ニュースなどの報道も「5W1H」ですが、これは事実を端的に伝えるためです。ニュースに視聴者を感動させる要素は必要ありません。ロジックやロジカルにだまされてはいけないのです。繰り返しますが、人に伝えたいと思うならロジカルではなく、感情に訴えて「共感」を生み出すことが必要になります。

尾藤 克之 コラムニスト、作家、著述家

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びとう かつゆき / Katsuyuki Bito

東京都出身。議員秘書、大手コンサルティングファームで、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎元首相夫人)を運営しライフワークとしている。NHK、民放のTV出演、協力多数。コラムニストとしても、「JBpress」朝日新聞「telling,」「オトナンサー」「アゴラ」「J-CASTニュース」で執筆中。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)、『即効! 成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)など著書多数。埼玉大学大学院博士課程前期修了。経営学修士、経済学修士。

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