BtoB企業が「広報」に苦戦するのは至極当然の訳 メディアが報じる会社とそうでない会社の差

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また、数百万社にのぼる非上場会社の中にも、大きな会社や注目されやすい会社はありますので、面白い動きがあればメディアはその会社を優先して取り上げます。

「記事掲載をしてもらいたい」と考えている膨大な数の会社と、非常に少ないメディアの記事掲載スペースのバランスを考えれば、ごく一部の超大企業や超有名企業を除けば、上場企業だからといって簡単に記事化されるはずがないのです。

BtoB企業にもチャンスはある

BtoB企業、特に業界で2番手以下では、メディアからの関心が非常に低いという現実があり、BtoC企業と同じような広報の取り組みをしているはずなのに、自社だけうまくいかないように感じ、実際に継続的な報道獲得もできない、という「落とし穴」に落ちてしまうケースは多いのです。

そうした状況が続くと、社内で広報担当部署への風当たりが強くなり、そもそも会社として広報を頑張ることを諦めてしまう、という悪循環に陥ることもよくあります。

しかし、そうした企業であっても自らの立ち位置をきちんと理解して効果的な努力をすれば、BtoB企業や中小企業であっても、メディアで記事として取り上げられることはあります。

そのための方法は実はたくさんあります。また、それほど難しくもありません。1つだけ具体的な手法を例示すれば、取っ掛かりとして、業界紙や専門誌での記事掲載を狙うという手があります。

こうしたメディアは、特定の業界を専門に扱っているため、自社が所属する業界の専門紙なら、全国紙に比べて記事がぐっと掲載されやすい傾向があります。

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全国紙に比べて部数が圧倒的に少なく、読者層が限られるというデメリットもある一方で、その業界新聞や雑誌が対象としている業界に興味のある人たちが真剣に紙面を読んでいる、というメリットもあります。

また、実は全国紙の記者は業界紙を読んで情報を得ることも結構あります。記事のネタが面白ければ、全国紙の記者が後追いで取材にくることもあります。広報担当者が、「このネタでは全国紙は難しい」と判断しても、違う評価があるということです。

もちろん、適切かつ面白いネタ作りができれば、大手メディアが業界紙よりも前に取り上げてくれることもあります。BtoB企業だからと諦めず、地道な取り組みを続けていけば、メディアからはランキング外として扱われがちなBtoB企業であっても多くの記事掲載を獲得することはあるのです。

日高 広太郎 広報コンサルタント、ジャーナリスト

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ひだか こうたろう / Kotaro Hidaka

1996年慶大卒、日本経済新聞社に入社。東京本社の社会部に配属される。その後、小売店など企業担当、ニューヨーク留学(米経済調査機関のコンファレンス・ボードの研究員)を経て東京本社の経済部に配属。日銀の量的緩和解除に向けた政策変更や企業のM&A関連など多くの特ダネをスクープした。シンガポール駐在を経て東京本社でデスク。2018年に東証一部上場のBtoB企業に入社し、広報部長。2019年より執行役員。2022年に広報コンサルティング会社を設立し、代表に就任。クライアント企業のメディア掲載数を急増させている。

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