漫画「キングダム」に起業家が心奪われる納得理由 入山章栄・早大教授が経営学の視点から分析
ビジネス漫画として読まれることが増えている
――『キングダム』を初めて読んだのはいつごろですか。
4〜5年前です。付き合いのある起業家たちの中で『キングダム』が流行り始めたのがきっかけでした。実は、当初は絵柄が苦手な気がして読むには至らなかったのですが、流行に気づいてから1年ほど経ったころ、本格的に読み始めた。
最初は4巻までまとめて買いました。本当に面白くなるのは5〜6巻以降だと今は思っていますが、1〜4巻も飽きずに読み進められた。その後、一気にハマって、既刊すべて読み切るのですが、これは『キングダム』ファンにはわかってもらえる感覚ではないかと思います。
今、『キングダム』はビジネス漫画として読まれることが増えている。それは、組織に属するビジネスパーソンに響く部分が多いからでしょうね。作者の原泰久先生自身が、漫画を描く傍らビジネス界を含む多くの人と交流していることも作品に影響しているのではないか。
また、原先生と以前対談した際には、SE(システムエンジニア)としての経験が作品づくりに生かされているという話もありました。『キングダム』は史実に基づいている以上、いつかは嬴政が中国を統一する。ゴールはわかっているので、それに向けた要件定義をしていくような感覚だそうです。思いつきではなく、システムを構築するようにストーリーを作っているから、途中でつまらない話になることはないともおっしゃっていました。
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