「中古マンション」最も売れやすい意外な「築何年」 築浅だから売れるわけではない中古市場の動向
需給バランスは、実は築年帯によっても変わる。東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」で詳しく見ていこう。
築年帯別の流通市場シェアを見ると、売り出される物件では築31年以上のシェアが44.7%もあるのに対し、成約した物件で見ると29.7%と大幅に減っている。買う人のほうは築年数の少ないものを希望した結果だろう。
その傾向を、新規登録件数を成約件数で割った「対新規登録成約率」で見ると、築31年以上では16.4%と極めて低い。一方で、40.7%に達した「築6~10年」は最も買い手がつきやすいと言えるだろう。次いで、「築11~15年」と「築16~20年」が続き、「築0~5年」も3割を超える結果となっている。
「築0~5年」は売りづらさがある
築年帯別について、もう少し詳しく分析してみよう。
まず、「築0~5年」の対新規登録成約率は30.5%。新築と遜色ない状態なので、買いたい人は多いはずだ。一方、新築で買って間もなく売ることになる売り手側には、それぞれに家庭の事情があるのだろう。
住宅ローンを組んでいる場合は、まだ残高があまり減っていない時期なので、売却価格が住宅ローンの残高を下回るリスクもある。そのため、売り出し価格をあまり下げられないといったことによる「売りづらさ」があると考えられる。
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