「中古マンション」最も売れやすい意外な「築何年」 築浅だから売れるわけではない中古市場の動向
「築26年以降」になると、対新規登録成約率が一段と下がる。市場に多く出回っているものの、買い手側が敬遠するということだろう。築年の経過したマンションには、老朽化などの懸念が強まる。
加えて、「住宅ローン減税」を利用するには、これまでマンションに「築25年以内」という条件があった影響も大きい。築25年を超えると、耐震基準に適合していることの証明書が必要になり、確実に住宅ローン減税を受けられる築25年以内を買い手側が選ぶという構図もあった。
この点は2022年4月からの税制改正により、中古住宅の築年数要件が撤廃され、「登記簿上の建築日付が1982(昭和57)年1月1日以降のもの」という条件に変わった。この改正により住宅ローン減税の対象が、築40年くらいまでに広がる。したがってこの4月からは、管理状態の良い築26年以上のマンションを買い手が選びやすい環境になった。売り手側にはチャンスと言えるだろう。
中古一戸建てもマンションと同様の傾向に
これまで中古マンションについて、築年帯別の傾向を紹介してきたが、一戸建てについてはどうだろう?
中古一戸建ても中古マンションと同様の傾向が見られる。ただし、中古一戸建てはマンションと比べると築年数の古いものが少ない。古い一戸建てになると、建物を取り壊して土地として売り出したり、「古家付き土地」として売り出したりと、土地の扱いになる事例が増えるからだろう。
また、まとまった土地を分割して2棟の新築一戸建てとして販売するなど、都市部では新築一戸建ての土地面積が狭くなる傾向にあるため、広さを求めると中古一戸建てのほうが探しやすいという市場特性もある。
以上、築年帯別の市場特性について紹介してきたが、住宅の場合は売り手も買い手も1対1で売買は成立する。相場より高くても買いたい世帯があれば売れるものなので、立地や広さ、間取りなどの希少性によって個別の売りやすさが変わる。なかには人気マンションであるがゆえに、新築時の価格より高く売れるマンションもある。
また、新築マンションが近くに販売されているかどうかで、相場が動くことも多い。実際には自分の家が売りやすいかどうかは、相場を考えて慎重に判断する必要がある。個別性の高い住宅の売りやすさを判断するのは、なかなか難しい問題なのだ。
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