「中古マンション」最も売れやすい意外な「築何年」 築浅だから売れるわけではない中古市場の動向

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一方で、新築マンションとして次々と供給されたものが、中古となって流通市場に出回るようになり、古いものから新しいものまでさまざまな状態のものが売りに出ている。ただし、1年経てば築年数も1年増えるので、中古マンションの平均築年数も年々増えていっている。

平均価格や平均築年数は右肩上がりだが、平均面積はおおよそ65㎡前後で推移している。夫婦や子どもを加えた3人家族なら65㎡は欲しいということだろう。

売れない中古はないが、売りやすい時期はある

実は、中古住宅は相場に応じた適切な価格で売れば、売れないわけではない。立地や間取りなどに難点があれば、相場より価格を下げれば売れることが多い。とはいえ、少しでも高く売りたいのが売り主の心情だ。相場の傾向を知っておくと売りやすさや売りづらさがわかるだろう。

売りやすさの大きな要因に、需給バランスがある。実は、コロナ禍に市場に出回る物件が減って品薄状態になったことから、2020年~2021年は競争相手の少ない売りやすい市場だったのだ。

東日本不動産流通機構が公表するデータには、「成約物件=売買契約が成立した物件」と「新規登録物件=新規に売り出された物件」があり、「在庫物件」を公表する資料もある。首都圏では、2019年第4四半期(10~12月)から新規登録物件が減少トレンドになり、2021年第3四半期(7~9月)まで売り出し物件が大幅に減った。購入ニーズは旺盛だったので、在庫物件が買われて減少するという状況だった。

コロナ禍でテレワークなどの働く環境の変化による住み替え需要があり、買いたい人が多かったにもかかわらず、内見のために人が自宅を訪れるのを嫌うなどの理由から売ろうとする人が減っていたということだ。2021年第4四半期(10~12月)からは新規登録物件数も回復しつつあり、中古市場の品薄感も今は解消に向かっている。

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