「中古マンション」最も売れやすい意外な「築何年」 築浅だから売れるわけではない中古市場の動向

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次に、最も買われやすい「築6~10年」。買う側には、築浅ニーズにも応えられ、値ごろ感も出る築年帯だ。一方、売り手側の事情として、所有期間が5年を超えるか超えないかで、税金の額が変わるタイミングでもある。

売却したときに利益が出れば、譲渡所得となって課税される。所有期間が5年以下(売却した年の1月1日時点)の「短期譲渡所得」(税率39%)と5年を超える「長期譲渡所得」(税率20%)では、納税額が大きく異なる。ただし、マイホームを売却した場合は、「居住用財産の3000万円控除」が利用できるので、その範囲内であれば課税されることはない。

売却して損失が出た場合

逆に、売却して損失が出た場合、2023年末までのマイホームの売却であれば、「居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除」という特例が使える。この特例も所有期間が5年を超える(売却した年の1月1日時点)ことが条件なので、いずれにしても所有期間5年超が一つの目安になるわけだ。

築6年以上のものは、売り手側の事情として節税可能なタイミングになるので売りやすくなり、買い手側のニーズにも合致するということから、買われやすいと言えるのだろう。

家を買って10年以上住むと、家庭や仕事の事情から住み替えを余儀なくされる人も増えてくる。「築11~15年」、「築16~20年」は、中古市場に出回る物件数も増え、値ごろ感も増していく。なかでも「築16~20年」は市場に出回る物件の専有面積が広いのが特徴だ。新規売り出し物件で見ても成約物件で見ても、平均面積が最も広くなっている。「築16~20年」は、広めのマンションを探しやすいというメリットもありそうだ。

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