「会社の上司からも『お前は余計なことを言いすぎ。趣旨がよくわからない』と指導されています……」
会社での出来事を思い出して本気で肩を落とす武彦さん。憎めない人物である。20代半ばで大失恋も経験している。
「大学を卒業して東京に出てきて友達の友達つながりで出会いました。3年も付き合って結婚するかなと思っていたのですが、振られてしまいました」
彼女は「資産家の一人娘」で、親は数百万円もする絵画を気軽に買ってくるような家庭だった。武彦さんとの交際が深まると、資産が目減りするような結婚は許さないと親が介入。最終的にはお金持ち仲間の子弟と娘を結婚させた、と武彦さんは推測する。
「ご両親からは反対されたけど、2人はすごく相性がよかったらしいね!」
武彦さん手作りのローストビーフを食べながら口をはさむ雅美さん。新妻としては面白くないエピソードのはずだが、聞かずにはいられないようだ。目がキラキラと光っている。雅美さんは堅実だけど好奇心旺盛な女性なのだ。
「うん。お互いに本当に好き合っていたのに振られちゃったんだ」
結婚相談所も6社を逆面接して比較検討
なぜか率直に答えてしまう武彦さん。空気を読もうぜ……。話題を変えなければならない。筆者は雅美さん作の「山盛りポトフ」を絶賛しつつ、彼女と別れた後の武彦さんについて質問した。
「1年間ぐらいはずっと泣いて暮らしていました。その後は何をしてもうまくいかなかったです。合コンに行ってもいいことはなかったし、マッサージ屋さんの女の子と食事に行ったりもしていましたが告白したら振られました。マッチングアプリも全然ダメでした」
結婚願望は強かった武彦さんは結婚相談所に入ることにした。2020年の夏のことだ。ただし、ここでもこだわりの強さを発揮。6社を逆面接して比較検討し、最もやる気があって自分の弱点を補ってくれそうな相談所に入会したという。
「僕は写真を撮られるのは嫌いではありません。でも、なぜか一般受けしないのです。プロフィールの文章も同じです。その相談所のカウンセラーが直してくれたら(女性の)反応がすごくよくなりました!」
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