成功した創業者を多く輩出する28社ランキング 創業前に経験しておきたい理想的なキャリア
大学と同じように、10億ドル達成企業の創業者を特に多く輩出している企業がある。私が調査した期間のデータでは、グーグルで働いていた人が14人で、いちばん多かった。元グーグル社員が起こした会社としてはピンタレストの他に、アファーム(Affirm)、コンボイ(Convoy)、ネクストドア(Nextdoor)、ニュータニックス(Nutanix)、スノーフレイク(Snowflake)、ウィッシュ(Wish)などがある。
資金力のある大手企業で育った人が、資金に不自由するスタートアップ企業をうまく運営できるというのは意外かもしれないが、現実に10億ドル達成企業の創業者には、大手企業で働いた経験のある人のほうが多い。
その多くがシルバーマンのように、グーグルのような企業の業務プロセス、独創性を重視する社風、大成功したビジネスモデルを、自分の会社に持ち込んでいる可能性はある。
オラクルも創業者を多く輩出
10億ドル達成企業の創業者を多く輩出しているもう1つの会社がオラクル(Oracle)だ。同社の元社員が始めた企業をあげると、メラキ(Meraki)、レンディングクラブ(LendingClub)、クラウデラ(Cloudera)、ニュータニックス、ルーブリック(Rubrik)、スノーフレイク、ヴィーヴァ(Veeva)、ワークデイ(Workday)などがある。
一見、オラクルは起業家志向と結びつかず、むしろ営業志向の社風なので、同社から10億ドル達成企業の創業者が数多く生まれているということは、営業や企業向け市場開拓の判断力の重要性が示されているのではないか。
グーグルとオラクル以外では、IBM、ヤフー(Yahoo)、フェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)、HP、マッキンゼー、アップル(Apple)、ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、NASAも、かなりの数の10億ドル達成企業創業者を生み出している。
これらの企業での就業経験が、新たに会社をつくって人をスカウトするときや、顧客に何かを売るときの助けになる。何より重要なのは投資家の目を引くきっかけになりやすいということだ。グーグルのような強大な力を持つ企業は、優秀な人材と出会える場所なので、共同創業者や立ち上げ時の社員をさがすのにもうってつけだ。
しかし大企業での就業経験が、スタートアップ成功の要因とは限らない。グーグルやオラクルやIBMで働いていたから10億ドル企業をつくれたわけではない。むしろこうしたブランド企業に、特に野心を持った起業家向きの人材が集まってくるのだろう。
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