成功した創業者を多く輩出する28社ランキング 創業前に経験しておきたい理想的なキャリア
ブランド大学やブランド企業にいた経験を持たない創業者もたくさんいる。クレジット・カルマ(Credit Karma)の共同創業者のニコール・マスタードはマイアミ大学で学び、ピザハット(Pizza Hut)の研修マネージャーとして働いていた。ファイナンシャル・プランナーの資格を取ろうと決意したとき、彼女はロサンゼルスの小さなアパートに住んでいた。
数年間、仕事の経験を積み、コンピート・ドットコム(Compete.com ウェブのトラフィックを測定するITスタートアップでいまは存在しない)に営業部長として加わった。そこの提携先を開拓する仕事を通じて、Eローン(E-Loan)という会社で働いていたケネス・リンと出会ったのだ。マスタードと同じく、リンもブランド大学やブランド企業にいた経験はなかった。
人材輩出企業もまた時代によって移り変わる
しかしビジネスのアイデアはあった。消費者の信用スコアを、閲覧・監視しやすくすることだ。そしてマスタードは共同創業者として申し分ない。ファイナンシャル・プランニングの資格、強烈な職業倫理、仕事上のコネクション、はつらつとした態度。
彼らは共同でクレジット・カルマを立ち上げた。これは消費者のファイナンシャル・プランを助け、その人の信用スコアを点検して向上を目指すものだ。クレジット・カルマはその分野のトップとなり、8000万人のユーザーを集め、2020年にインテュイット(Intuit 金融ソフトウェア分野の公開会社)に71億ドルで買収された。
マスタードとリンは一流大学や一流企業とは縁がなかったが、それが事業を起こす妨げにはならなかった。彼らの会社は多くのユーザーに愛され、膨大な価値を生み出した。ブランドとは縁がなかったからこそ、ユーザーをよく理解し、顧客のために働く意欲を持てたとさえ言えるかもしれない。
私のデータには、2005年以降に設立された10億ドル達成企業がすべて入っているが、当時は社員の多い大手企業といえばヤフーなどだったことを指摘しておくのは重要だろう。いまは先述のように大きく様変わりしている。また、投資家は経営には向かないと思っている人がいるが、かなりの数の10億ドル達成企業の創業者が、ベンチャーキャピタル出身である。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら