仕事と育児で限界な親が自分をうまく「許す」コツ イライラの根本原因は子どもでなく生活スタイルだ

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市場調査会社「アイコンキッズ&ユース」が6~12歳の子どもを対象に行った、生活や親に対する満足度調査があります。回答者の約90%は、自分の親を世界一だと思っています。91%が、親といると「安全で居心地よく感じる」と答え、90%は「両親はありのままの自分を愛してくれている」と考えています。

このようなアンケート調査で、子どもたちに「親に何を望むか」とたずねると、いつも明快な答えが返ってきます。

つねに上位に挙がるのが、「親と一緒に過ごす時間」なのです。お金をかける必要はありません。私たちはただ、子どもとの時間をとるだけでいいのです。

人生の「ラッシュアワー」の時期には、キャリア、子育て、パートナーや配偶者との関係、老後の備え、あらゆることが集中し、すべてを同時にうまく運ばねばなりません。

「それは解決不可能な問題ではない」「すべては自己管理スキル次第だ」などというアドバイスがあちらこちらで聞かれます。自己管理がうまくできる人なら、10時間働いて、健康維持のために運動を欠かさず、パートナーとも良好な関係を保ち、さらに子どもとも「質の高い時間」を過ごすことは可能だと言うのです。

時間が無いのは、子どものせいじゃない

これを、「集団的自己欺瞞」と呼ぶ人たちもいます。現実はまったく別です。私たちの多くは、重荷を背負いながら走りつづけて、疲弊しています。そこに7歳の子どもが宿題をやりたくないとごね始めれば、堪忍袋の緒が切れるのも当然です。

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でもそれは、子どものせいではありません。私たちの生活スタイルのせいなのです。子育てとキャリアを完璧に両立することには無理があるからです。ハードな仕事をこなさなければ、キャリアを積み、家族を養うことがほとんど不可能であることに問題の本質があるのです。

片方の親に負担が偏っている、つまりどちらかの親が子育ての責任の大半を担っているケースが多いことも問題です。それは、毎日繰り返される仕事と子育てだけではありません。子どもの病気、誕生会の準備、友人や家族とのやり取りなど、単発的なタスクも次から次へと飛びこんできます。

近所の人たちや友人、家族、親戚を日々の生活にもっと巻きこむことができないか考えてみてください。一緒に料理をしたり、お祝いをしたり、協力して掃除をしたり、交代で子どもを習い事に連れていくことはできませんか? 

心を開くのは簡単ではないかもしれません。でも、親はみな同じように感じているのです。このことに気づけば、気持ちが楽になるはずです。お互いに心の扉を開いて、助けあうことができるはずです。

前回の記事はこちら:「ストレスだらけの親」が子に対し有害になる理屈
ニコラ・シュミット 科学ジャーナリスト、メンタルヘルスの専門家

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にこら・しゅみっと / Nicola Schmidt

科学ジャーナリストおよびメンタルヘルスの専門家。幼児教育に関する記事を紙媒体・オンラインメディアに多数執筆するほか、2008年より子育てに関するブログを運営。2010年からは子育て中の親を対象にしたコーチングやコーチ養成コースを提供。年に1度、「ホモ・サピエンス」に適した生活と子育てを体験できる「自然キャンプ」も開催。ドイツ・ケルンとボンのあいだの森のそばに、家族と暮らす。

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