仕事と育児で限界な親が自分をうまく「許す」コツ イライラの根本原因は子どもでなく生活スタイルだ

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でも、聞きわけがないからといって、その子が道を踏み外しているわけではありません。そのことを理解しておくだけでも、助けになります。彼らはまだ子どもです。

たくさんのことを学んでいるところなのです。子どもたちだって、ときに抵抗を示すことが必要なのです。子どもたちにも、「嫌だ」という権利があります。

子どもが言うことを聞かないからといって、子育てに失敗したわけではありません。軌道修正のために、いますぐ行動を起こす必要もありません。

これは、家族のルールを子どもに決めさせるという意味ではありません。そうではなく、私たちはもっと鷹揚に構えていいのだということ、そして子どもたちはこれから時間をかけて学んでいくのだということを知ってほしいのです。

追い詰めないほうが子は学ぶ

今日、明日の話ではないかもしれませんが、いずれ学びます。のんびりと、楽観的であり続けましょう。そうすれば私たち親もすぐ切れることも少なくなるはずです。興味深いことに、プレッシャーを与えないほうが、子どもたちが学ぶ可能性と、そのスピードが高まるのです。

自尊心と尊厳が損なわれることなく、人間として価値があるように扱われると、つまり「何回言ったらわかるの!」といった言葉によっておとしめられることがなければ、子どもたちが協力的になる可能性も高まります。

このことを意識すると、日常生活という荒波の中で何があっても動じない「岩」になることができます。結局のところ、緊急性の高いことも、悪いことも起こっていないのです。

もし子どもが車道へ飛びだそうとしたら、もちろんすぐに止めなければなりません。

でも、子どもが怒って部屋から飛びだしてドアをたたきつけたとしても、とりあえず椅子に深く腰かけて、ゆっくり考えをめぐらせることができます。

そうすれば、ストレスの引き金となるものの大半は自分の内側にあり、自分でコントロールできるということが見えてきます。

完璧である必要はありません。私たちはいまのままで、まったく問題ありません。頑固で、ドアをたたきつける子どもだって同じです。いまのままで、まったく問題ないのです。

ところで、子どもたちの側は、私たち親のことをどのように見ているのでしょうか?

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