コロナ禍でブーム再燃、「2輪業界」5つのトレンド 今の流行は?東京モーターサイクルショー総括

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トレンド1:ネオレトロ

ホンダが発表したニューモデル、ホークイレブン(HAWK 11)(筆者撮影)
ホンダが発表したニューモデル、ホークイレブン(HAWK 11)(筆者撮影)

近年、日本だけでなく、欧米など世界的に人気が高いスタイルに「ネオレトロ」というジャンルがある。クラシカルなスタイルを持ちながらも、走行性能や安全機能などに最新技術も投入したモデルのことだ。1950年代などの名車をオマージュしたビンテージ風スタイルから、1960年代のレーシングマシンを彷彿とさせるカフェレーサー、古いオフロードレーサー風のスクランブラーなど、多様なスタイルがある。

ホークイレブンのロケットカウル(筆者撮影)
ホークイレブンのロケットカウル(筆者撮影)

ホンダがモーターサイクルショーで世界初公開した新型ロードスポーツモデル「ホークイレブン(HAWK 11)」も、そうしたネオレトロバイクの1台だ。先端が前方に突き出たロケットカウルや、低いハンドルバーなどを特徴とするカフェレーサーのスタイルを採用する。

ホークイレブンのエンジン(筆者撮影)
ホークイレブンのエンジン(筆者撮影)

エンジンには、1100cc(1082cc)・水冷4ストロークOHC直列2気筒エンジンを搭載。ダイレクトなスロットルレスポンスに寄与する「スロットルバイワイヤシステム」や、走行状況や好みに合わせてあらかじめ設定された出力特性を選択できる「ライディングモード」など、最新の電子制御システムも装備。レトロなスタイルながら、高い走行性能や安全性を両立する。

ホンダ往年の名車「ホーク」を冠する新車登場

サイドから見たホークイレブン(筆者撮影)
サイドから見たホークイレブン(筆者撮影)

なお、このモデルの車名「ホーク」は、ホンダが1970年代に発売した空冷2気筒エンジン搭載のスポーツモデル、400ccの「ホーク-Ⅱ(CB400T)」と250ccの「ホーク(CB250T)」が由来だ。ホンダでは、新型ホークイレブンのメインターゲットを「経験豊かなベテランライダー」と発表している。つまり、往年のバイクと同じ懐かしいネーミングを用いることで、当時を知る40代や50代などの世代にアピールしているといえる。価格(税込み)は139万7000円、2022年9月29日の発売予定だ。

別カラーリングのホークイレブン(筆者撮影)
別カラーリングのホークイレブン(筆者撮影)

カフェレーサー風スタイルの大型バイクには、ほかにも120年の歴史を誇るイギリスの老舗2輪車メーカー、トライアンフ・モーターサイクルズの大型バイク「スピードトリプル1200RR」が披露された。1200cc(1160cc)・3気筒エンジンを搭載するネイキッドモデル「スピードトリプル1200RS」をベースに、独特のハーフフェアリングや丸目1灯LEDヘッドライト、低いセパレートハンドルなどでレーシーかつスタイリッシュなフォルムを実現しているのが特徴だ。価格(税込み)は228万5000円~233万円となっている。

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