コロナ禍でブーム再燃、「2輪業界」5つのトレンド 今の流行は?東京モーターサイクルショー総括

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多くのバイク好きが憧れた“火の玉カラー”を採用したカワサキのZ900RSとZ650RS(筆者撮影)
多くのバイク好きが憧れた“火の玉カラー”を採用したカワサキのZ900RSとZ650RS(筆者撮影)

往年の名車に施した車体色をオマージュしたカラーリングを、最新モデルに採り入れることも最近のトレンドだ。やはり、ネオレトロに属するモデルに採用されることが多い。

Z900RSの外観(筆者撮影)
Z900RSの外観(筆者撮影)

例えば、カワサキが「Z900RS」や新型車の「Z650RS」などに設定した「50th Anniversary」という特別仕様車がそれにあたる。Z900RSは、948cc・水冷4気筒エンジンを搭載する、クラシカルなスタイルの大型ロードスポーツモデル。カワサキが1972年に発売して世界的な大ヒットを記録、今でも多くの愛好家から支持されている「900スーパー4」、通称「Z1」をオマージュしたモデルだ。2017年の発売以来、大型バイクとしては異例の販売台数を記録しているという。また、Z650RSは、同様のスタイルに649ccエンジンを搭載した兄弟車で、2022年4月28日に発売された。

Z650RSの外観(筆者撮影)
Z650RSの外観(筆者撮影)

今回の特別仕様車は、2022年がZ1の生誕50周年にあたることを記念して企画されたもので、初代Z1に設定されていた「ファイヤーボールカラー(通称、火の玉カラー)」をイメージした車体色を採用。特別仕様車の価格(税込み)は、Z900RSが149万6000円、Z650RSは110万円だ。

Z900 50th Anniversaryの外観(筆者撮影)
Z900 50th Anniversaryの外観(筆者撮影)

また、Z900RSと同系のエンジンを持ち、ストリートファイターというスタイルを採用した「Z900」にも、同様のアニバーサリーモデルを設定する。こちらは、1981年発売の「Z1100GP」などに採用された「ファイヤークラッカーレッド」を投入した仕様だ。Z900特別仕様車の価格(税込み)は121万円となる。これら3モデルに採用されたカラーやグラフィックは、いずれも古くからのカワサキ・ファンに馴染み深いもので、2022年1月の発表当時から大きな話題を呼んでいる。

レースファン必見カラーリングのヤマハ「XSR」

ヤマハXSR900の外観(筆者撮影)
ヤマハXSR900の外観(筆者撮影)

一方、ヤマハでも往年の名車をイメージしたカラーを採用した新型の「XSR」シリーズ2モデルを展示した。XSRは、同社がスポーツヘリテイジと呼ぶシリーズで、845cc・水冷3気筒エンジンの「XSR900」と、688cc・水冷2気筒エンジンの「XSR700」がある。XSR900は、2021年11月にフルモデルチェンジが発表され、スタイルや車体などを一新。日本では2022年春に導入予定だが、そのカラーには1980年代に2輪レース最高峰の世界選手権「WGP(現・Moto GP)」で活躍したゴロワーズ・ヤマハのマシン「YZR500」を彷彿とさせるブルーを採用。

ヤマハXSR900のタンク部分(筆者撮影)
ヤマハXSR900のタンク部分(筆者撮影)

ゴロワーズ・ヤマハは、青いYZR500を駆るフランス人ライダーのクリスチャン・サロン選手が大活躍したWGPチームで、当時日本でも多くのファンがいた。あまりの人気ぶりにより、当時の市販車「TZR250」などに同様のカラーを限定販売したほどだ。ファンの間ではゴロワーズカラーの愛称で今でも親しまれている。

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